保育をデザインし、保育技術を高める

保育園には、月曜の保育というのがあります。

また、金曜日の保育というのがあります。

休み明けの日の保育は昨日の続きの火・水・木曜日の保育とは明らかに違います。

週末の金曜日の保育は次の日に持ち越せない、または持ち越してはいけない事柄があります。

これと同じように、朝の保育、夕方の保育というのもあります。

朝、起きて朝ご飯を食べて、支度をしてすぐ登園してきた朝保育の時間と日中とでは子どもの状態も、保育形態も違います。

夕方の疲れや寂しさも増してきた時間帯の保育が日中、楽しく盛り上がっている遊びと同じわけがありません。

保育所保育とは、その時間や子どもの状態、保育形態によって大事にすること、注意点、働きかけ方も変わるのです。

森のようちえんでも天気や子どもの人数、子どもたちの状態によって活動場所を変えたり、内容を変えたりします。

私たちはこれを保育デザインと呼びます。

フィールドの選択、活動を切り替えるタイミング、プログラム全体の構成をどう組み立てていくか。

これらを総合的にデザインしているのです。

その意味で保育とは、すべての活動や保育者の所作、言葉がけの一つ一つにいたるまで、意図され、ち密に計算されたまるで芸術作品のような営みだと言えます。

環境

私たちは自然環境を基本としながらも、

1.変化にとんだ環境

2.子どもにとって魅力ある環境

3.発達に見合った安全な環境

を意図しています。

これを現場ではほとんど感覚的に行っているのです。

一々考えてから行動しているようでは遅いのです。

習慣化された所作は(例えば、箸を使うとか、自転車に乗るなど)考えて行動はしていません。

体験

1.自然を感じる体験

2.自由に遊びこむ体験

3.人や自然と関わる体験

一口に自然体験と言いますが、もう少し分解して考えないといけません。

自然の中で自然に触れることで、感じたり、気づいたり、考えたりする体験が必要なのです。

感情や感覚を刺激し、脳内で思考する体験が重要なのです。

遊びが大事とは言いますが、本当に遊びを大事にしているでしょうか。

遊びを学びにつなげ、獲得するものがあるから大事なのであって、適当に遊ばせて、大人の都合で遊びを切り上げさせては効果は低いと言わざるを得ません。

遊ばさせられている体験ではなく、自ら自由にたっぷり満足するまで遊びこむ体験が必要なのです。

遊びを通して意欲を育て、もっと遊びたいという欲求を適切に満たすことで情緒の安定を図り、心と体を育てることが必要なのです。

多様な刺激の中で自然の豊かさや人の多面性に気づき、関わり方を学ぶ必要があります。

どうやって関わったらいいか、人や自然との付き合い方の練習・勉強の機会でもあるのです。

遊びや自然体験とまとめてしまうのではなく、そこに含まれる重要な要素を抽出し、それを経験させることが肝要なのです。

保育技術

これらの環境と体験を掛け合わせた保育を誰がどのように行うのか。

あくまで保育を行うのは”保育者”一人一人なのです。

だとしたら保育者個人の資質を高めないことには保育の資質向上にはつながらないのです。

では、保育者の資質とは何か、どのように向上させるのか。

これまでは保育者個人の自己努力にゆだねられ、向上心の高い人は努力し、そうでない人は資質が高まらないという状況がありました。

これを園として、システムとして向上させる仕組みを作らないといけません。

事業として継続させるための仕組みが必要なのです。


滝山ネイチャークラブが世界に提唱する保育技術

・保育デザイン=環境・体験・保育技術

・TNC=Technology for Natural Education Curve (対象に応じて働きかける技術)

・TNC’=Technology for Networking Childcaree Collaboration (チームとして機能させる技術)

参照:代表ブログ

子どもの遊びを保障して「楽しい」を追求する
幼児期の教育環境として、自然がいいというのは理解できても、自然に連れて行けばそれだけでいいのでしょうか。滝山ネイチャークラブの森のようちえんが「楽しい」には理由があります。
事故や怪我を防ぐ適切な働きかけ
滝山ネイチャークラブの森のようちえんでは、子どもが満足するまで遊びを保証します。一緒に遊んで子どもとの信頼関係を構築することを大事に考えています。
保育者の動きに関する保育技術
保育者の動き(ポジショニング・ネットワーク化・フットワーク)に関する安全技術を広め、子どもの安全に寄与することを期待しています。
チームとして機能し、チームで安全を守る
いいチームじゃないと勝てない。個人の能力、人間関係、それをつなげるシステム。それらを高める志向性。チームで勝つことは技術です。学び、繰り返し練習することで向上させることが出来ます。

誰もがより良くなろうと思っているのです。

楽をしてさぼろうと思っている人はいないのです。

ただ、努力の仕方がわからないだけです。

独りよがりで間違った努力は疲れるだけです。

仲間を助けるどころか疲弊させ、不信につながり、やがては離職します。

園はチームとして目的を明確にし、その目的達成のための方法を学び、職員一人一人に技術向上のための訓練の機会を与え、良好な人間関係の構築と保育の資質向上を目指します。

技術は正しく練習すれば誰でも向上させることが出来る。

保育は技術です。

謙虚に学ぶ姿勢があればいくつになっても正しい方法を学ぶことが出来ます。

正しい練習方法を学べば楽しく学ぶことが出来ます。

繰り返し練習し、正しいコーチについて適切なフィードバックを受けることで、行動を習慣化させることが出来ます。

なりたい自分にはいつからでもなれる。

なろうと思った自分にいつでもなれる。

私たちはより良い保育を行う立派な保育者でありたいと願います。

そのための技術・方法・機会を広げ、笑顔で子どもと関わる保育者が日本全国に広がった時、世界は変わると信じています。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

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