子どもたちの集団規模と大人の配置について

小学校にも幼稚園、保育園にも大人の配置基準というのがあります。

子ども何人に対して大人の数が何人というものです。

幼稚園においては1クラス35人以下で教諭1人、保育所は4,5歳児30人につき1人という基準です。

これはあくまで最低基準ですから、この基準で質の高い教育・保育というのは無理です。

滝山ネイチャークラブの森のようちえんは単純には比較できないものの、子どもの数10人以下で大人の数は2~3人以上としています。

子どもの数が10人という数字に科学的な根拠はないのですが、子どもたちが仲間を意識するとか、他の子と関わるといったときに妥当な数字がこのぐらいだと思うのです。

大人もワークショップやディスカッションをするのに当たって「30人で話し合って下さい」などと言うのは無理な話で、当事者意識が薄れ、会話も弾まず、効果が低いのです。

10人という数字に科学的な理由をつけるとしたら両手の指が10本なら子どもでも視覚的に人数を理解できるのが10人だからという理由です。

科学的な検証はもう少し研究者にお任せするとして、この10人の子どもたちが関わる体験をしないことには意図した成果を得られているとは言えないのです。

具体的には、朝の会で子どもたちに自己紹介をしてもらいます。

場所やタイミングはその日の子どもたちの様子で決めるのですが、必ず朝の会を設定するようにしています。

もう一つはお昼のお弁当の時間です。

必ずみんなで食べるようにし、なるべくならみんなの顔が見えるようにします。

車座に座って丸くなって顔が見えるようにしたり、一か所に集まって仲間を意識して欲しいと思っています。

誕生月の子はみんなの前で自己紹介をしてプレゼントをもらいます。

誕生児をみんなでお祝いするということに加えて、数少ないみんなの前で発表する機会として捉えています。

意識しているのはどれも”必然性のある活動”だということです。

大人が取ってつけてさもありなんとやらせる活動ではなく、子どもにとって必然的な活動でありたいと思います。

最近始めたことで、本来なら時間を取ってやりたい活動の一つですが、帰りの会での「報告会」の時間があります。

「お父さん、お母さん、おうちの人の前で言いたいこと、発表したいこと、報告したいこと」を報告します。

帰ってくると疲れもあって年度初めはなかなか実現しなかったのですが、ここに来て体力もついてきて子どもたちも成長してきた証でしょう。

報告する内容は取り留めのないことも多いのですが、みんなの前で発表する、自分の言いたいことを言葉で伝えるということが重要なのです。

言い終わった後に保護者の皆様が拍手していただけることに大変ありがたいことだと感謝しています。

いつも大切にしていることを保護者の皆様とも共有したいと思っているからです。

森のようちえんの保護者の方々は本当にあたたかく、実によく滝山ネイチャークラブの理念を理解していただいているパートナーとして実感し、心から感謝しています。

そんな報告会が子どもたちの思いを伝える報告会であり、滝山ネイチャークラブが大事にしていることの共有につながればと思います。

私は森のようちえんの大人の配置は実際には2~3人であったとしても、保護者の皆様も子どもたちを応援する大人として12,13人の配置であると言えるとも思います。

そこに地域でお世話になっている方々も含めて大きなチームとして子どもたちを育て、支援していく仕組みを作っていきたいと思います。

これからもご支援の程、よろしくお願いいたします。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

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