滝山ネイチャークラブの森のようちえんは、対象に応じて働きかける個別化の指導を行います。
現場の状況で即座に判断し、対応する判断力、決断力、そして実行力が求められます。
その際の基準とは何でしょう。
1.子どもの発達
2.一人一人の個性
3.その子の行動特性
4.遊びの状態
5.学習内容
これらを総合的に判断する能力が必要なのです。
その際に必要のが、観察と対象者に対する敬意、そして保育技術です。
計画ありきの保育は遊びの状態にあまり注目しません。
計画と実際の差異に注目します。
対象に応じた保育は子どもと遊びをよく観察します。
それらは監視ではなく、子どもに対する敬意から生まれます。
敬意は相手を理解したいという思いにつながり、個性を尊重し、相手の行為・行動の意味を知ろうとします。
例え問題行動であったとしても、非難や批判、攻撃ではなく、敬意から生まれた観察は他者理解と適切でより良いアプローチにつながります。
技術は経験の積み重ねで向上させることが出来ます。
経験とは、働きかけのトライアンドエラー、良きフィードバックのサイクルが必要です。
具体的に、今すぐ現場で実行しようと思ったら、時間と場所、内容について考え方を変えましょう。
まずは何時から何時までという時間で管理する保育を見直しましょう。
給食の時間、会議の時間、職員の休憩時間を最初に考える保育を改めて、子どもを観察し、遊びを保証する保育に改めて、時間で管理する保育をやめましょう。
「それでは園が回らない。」
その考え、思考を改めましょう。
まず最初に子どもの人権、遊び、自分たちがやりたかった保育を大事にするのです。
次に自分たちの保育技術を高めるのです。
技術が向上し、自分にゆとりが持てるようになったらタイムマネジメントも可能になります。
最初に時間配分なんかしたら技術が向上しません。
大事なのは、何よりも、子どもの人権と遊び、自分たちのやりたい保育なはずです。
大丈夫。
大切なものをしっかり見つめ、経験を積み重ねることで、時間を柔軟に運用し、個別化に対応しながらも時間配分出来るようになります。
それが滝山ネイチャークラブの考える保育技術です。
場所についても同じです。
「あっち行っちゃだめ」
もっと柔軟に考えましょう。
子どもの行動に制限をかけなきゃいけないのは自分の保育技術が未熟だからです。
安全管理上も自分自身の動き、他の職員との連携次第で安全に保育することは可能です。
子どもの動きたい、もっとやってみたいという成長する権利を守り、さらにあんなことも出来る、こんなことも出来ると、楽しい保育にするかどうかは保育者の技術にかかっています。
「あっち行っちゃだめ」
子どももつまらなく、保育者自身もやりがいをなくすような思考を排し、「保育って楽しい!」そう思えるようにするのは園長でも制度でもありません。
私たち一人一人の保育者が自らの保育を楽しくするのです。
楽しくなったらしめたものです。
どんどん楽しいから保育内容もどんどん柔軟に、自由に運用し、一人一人に合った保育内容が展開出来るはずです。
それはとても豊かな広がりを見せ、子どもも楽しく、保育者も楽しい、そして保護者の皆様にも大変満足していただけるはずです。
保育はすばらしく、尊い営みです。
しかしそれは同時にとても高度な技術を要求される職業でもあります。
私はそれを誇りに、このすばらしい少人数で行う野外の幼児教育が普及することを願っています。
保育者としての尊厳を守り、子どもの人権と安全を守る楽しい保育実践に触れたいと思った方、そんな職場環境で保育者としてスキルを高めたいと考える方、ぜひ一緒に森に出かけませんか。
子どもの笑顔と保育者のやりがいが増えることを楽しみにしています。
滝山ネイチャークラブ
森のようちえん・ソトアソビスクール
代表 堀岡 正昭