子どもと活動してきて感じるのは、活動にはリズムがあるということ。
これは、都立大の浜谷先生も遊びの盛り上がり曲線で説明されています。
次に、現場を長くやっていて、幼児の活動のサイクルにはある程度決まった時間があるということに気が付きます。
これはもちろん、季節や集団、その他の要件で一律ではないのですが、概ね30分というサイクルがあるように感じます。
大人が主導で活動を切り替える一斉型指導ではなく、子どもの自由な遊びを見守っていると、大体30分ごとに、活動が萎んだり、場面が切り替わったり、リズムがあるということです。
これは年長児までの子どもたちの体力や集中力など、数多くの子どもたちを見てきた経験からどんなに夢中になって遊びこんでいてもそのぐらいで活動が停滞したり、終焉したりといった傾向がみられるようです。
子どもの集中時間と遊びについて、研究があれば教えてください。
また、実際の多くのデータがありますから協力することが可能です。
ここで現場の保育者が、このことからどうしたらいいかを考えます。
30分で一旦活動が停滞するとして、その後も子どもたちが遊びだしていけるような魅力ある素材や環境に恵まれているとしたら、また子どもたちは遊びだしていくことでしょう。
しかし、素材や環境、刺激が乏しく、30分の集中が切れたら、次の遊びが始まるまでなかなか始まらなかったり、不要なトラブルが発生するということがあります。
ということは、保育者の環境設定において、30分のサイクルで子どもたちの興味関心が変わってもそれを受け止めるだけの魅力的な環境が用意されているか。
もしそうでなければ、集中が切れたところで、休憩を入れたり、活動を切り替えて、場所を変えたり、遊びを提案することも必要かもしれません。
もちろん、保育中、子どもがずっと遊び続けなければならないということはなく、むしろ、ほっとしたり、ぼーっとする時間が保証されているということも重要なことです。
しかし、空間が制限されていたり、遊ぶものが少ない環境では子ども同士のトラブルの元です。
それは建設的な学びにつながる対立とは違って、「つまらない」から起きる防ぎたいトラブルの一つです。
この、遊びが途切れる、停滞する30分前後の時間に、保育者は遊びの状態を見極め、活動を切り替えたり、場所を変えたりといった環境の再構築が必要なのです。
子どもの遊びを大事にするから、保育者は働きかけない方がいいのではなく、遊びの状態を見極め、適切に働きかけていくから事故や怪我が少ないのです。
子どもたちの「楽しい!」と安全な保育は両立できます。
適切な働きかけを心掛け、より良い保育を追求していきたいと思います。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭