保育園には、「月曜の保育、金曜の保育」というのがあります。
休み明けの月曜日、週末の金曜日は他の曜日と同じ保育をしていてはいけないというのです。
休み明け、子どもたちの心理状態、モチベーション、体調などに配慮して、子どもの健康状態を観察して、緩やかに上がっていく保育が望まれます。
反対に週末の金曜日は子どもたちや先生方の疲労もたまり、怪我をしやすい曜日でもあります。
土曜日、日曜日とお休みを挟むことで保護者との直接会話できるその週最後の曜日です。
連絡し忘れや忘れ物が翌週大きな問題ともなり、気を付けなければいけない日でもあります。
同じように、朝の保育、お昼の食事前の保育、食べ終わった直後の保育、帰りの保育というのもあると思います。
朝一は子どもたちも緊張していたり、身体が固かったりします。
子どもによっては慎重な子もいて、ハイテンションで遊びには入れない子もいます。
朝一は特に子どもの健康状態を観察し、保護者から伝達・申し送り事項を確認し、静かに緩やかに保育して行きましょう。
食事の前は、空腹感や疲労感もあり、遊びが盛り上がっていればなおのこと集中も途切れ、怪我をしやすい時間帯でもあります。
保育園では給食の準備も始まり、先生方の配置も手薄になる時間帯かもしれません。
けれど、そんな時間帯だからこそ、子どもから目を離さず、子どもの遊びの状態を観察する職員を確保しましょう。
この時間帯においては子どもの集中や疲労感に配慮し、遊びを切り上げたり、切り替える適切な指導が必要です。
普段から子どもと信頼関係を構築し、その日の遊びを一緒に盛り上げてくれた先生の言うことは子どもたちはちゃんと聞くものです。
遊んでもくれない先生が片付けの時だけ出てきて、「ハイ、オシマイです。片付けて下さい。」なんて言ってはいけません。
子どもの発達特性や心理特性を見極め、遊びの世界を大事にし、「次はレストラン屋さんでーす」なんてやる心のゆとりが欲しいものです。
食べ終わった後も子どもはすぐに遊びだしたくなるものですが、片付け方を丁寧に指導したり、絵本や素話の世界を展開することで適度な休息となります。
食後の遊び出しも子どもの状態を観察することで、健康状態や体力を把握するように努めましょう。
遊びが盛り上がっている時には案外子どもは怪我をしないものです。
遊びが盛り上がってピークを迎え、疲労がたまり、集中が途切れた時に怪我は起きます。
この状態の時には、適切に活動を切り替えたり、休息に誘い、水分補給を促すことも必要です。
この時間帯には遊びをリードするのではなく、健康と安全に配慮した声がけや指導が必要なのです。
子どもの人格を尊重し、子どもの主体的な遊びを大事にしていくことは変わらなくても、時間や状況に応じて働きかけが変わるということです。
これ以外にも分かりやすい例でいえば、災害時の保育、緊急時の保育というのもあります。
災害時、緊急時、「子どもの主体性を尊重して・・」なんて言っている場合ではなく、安全に迅速に避難誘導することも必要でしょう。
職員全員で安全をベースにした子どもの主体的な活動である遊びを支援していくことと、楽しい活動にしていくということを共通理解していかなければなりません。
それには、月曜の保育、金曜の保育といったように具体的なエピソードとして伝えていくのが一番です。
みなさんで安全な活動にしていくためにもたくさんのエピソードを共有して行きましょう。
ソトアソビスクール
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
堀岡 正昭