保育にドキュメンテーションという言葉を紹介したのは、大豆生田先生が最初だと思いますが、写真に言葉を添えて保育を記録するということです。
このドキュメンテーションによって保育技術を高めることが出来ます。
写真を撮る
カメラはコンデジでも一眼レフでも構いません。
機材選びは、撮りやすいこと、状況に応じて使い分けること、使い慣れた機材を使うことですが、個人情報やデータの取り扱いには注意が必要です。
その意味では個人所有のスマホで撮影する場合には、園のプライバシーポリシーや保育者としての倫理綱領を遵守しましょう。
ズームは使わない
写真の撮影技術は問いませんが、ズームは使わないことをお勧めします。
保育者が写真を撮ることに意味があります。
保育者と子どもの関係性が写真に表れます。
数多く撮る
現場では、撮った写真は見返しません。写真撮影はあくまで保育技術を高めるための手段です。大切なことは子どもと関わり保育することです。最初は写真のクオリティより量を取り、数多く撮ることを心がけましょう。
三分割構図
画面を縦横それぞれ三分割して、交点や線上に被写体を置くように意識するだけで写真のバランスがぐっと変わります。構図はこの他にもいろいろありますが、最初は三分割構図を意識して撮ってみましょう。
写真を選ぶ
滝山ネイチャークラブでは1日に100~200枚程度写真を撮ります。
2人で撮ると300枚以上になる場合もあります。
その中から160枚程度に絞って選んでいます。
最初はピンボケやテストなど、全く使えない写真を削除します。
次に構図など、見やすさや分かりやすさから直感で構いません。どんどん選んでどんどん削除していきましょう。
最後に、周囲の景色や周りの子どもなどにも配慮して不適切な写真や問題がないかチェックしましょう。
規定の枚数に絞れたら撮影順に並び変え、リネームしましょう。
リネームは日付と連番を付けることをお勧めしますが、それぞれのやり方でも構いません。(例、20201222(156)、2020-12-23(146)など)
データの取り扱い上、リサイズ、すかしの処理などしておくといいかもしれません。
ここまで出来たら、いよいよ写真を選びましょう。
10枚以上は多すぎです。
多くて5枚。2~3枚に絞りましょう。
この写真を絞る、選ぶ作業がとても重要です。
最初に申し上げた通り、ドキュメンテーションは保育技術を高めるための手段です。
自分自身の保育観、価値観を明確にしていく作業なので、多くては価値観がぶれます。目指すべき保育があいまいなままです。
がんばって2~3枚に絞りましょう。
キャプションを書く
さあ、最後に写真にキャプション(見出し・タイトル・説明)をつけましょう。
見ればわかることは書かない
写真の説明を書くことは保育技術の向上にはつながりません。誰が見ても分かることは書かなくてもいいです。(お散歩に行きました。お砂場で遊んでいます。など)
その写真を撮ったあなたじゃないと書けない、言えない、伝えることが出来ないことを書くのです。
短くまとめる
言いたいことを書き始めるとつい長くなりがちですが、短くまとめましょう。
出来れば1行か2行にまとめましょう。
誰に向けて書くか
最後にこれが一番重要ですが、そのキャプションは誰に向かって書くのでしょう。
自身の保育記録として書くのでしょうか。
園内で共有するためや研修として書くのでしょうか。
それとも保護者に向けて発信するのか、対象を誰にするかで書くことが違ってきます。
究極には、保護者向けなら、「誰々ちゃんのお母さん」などと具体的にイメージして、その人に伝わるようにして書きましょう。
このプロセスを繰り返す
保育は一日にしてならずです。
まずはこれを3ヶ月、日数にしたら30日分、続けましょう。
その中で必ず見えてきます。
具体的なやり方や改善点も見えてきますが、何より「自分が何を大事にしているか」が見えてきます。
ご自身の保育観、価値観です。
ドキュメンテーションと言われているやり方の最大の効果は、自身の保育理念がはっきりすることです。
自分の向かうべき方向性、やりたい保育、目指す目的を明らかにすることで、目標が立てられます。
日々の保育の判断基準が明確になります。
どんな状況でもぶれない信念が生まれます。
写真を通して保育技術を高めましょう。
ソトアソビスクールのオンライン講座でドキュメンテーションのすすめ方について学びましょう。
出来るとうれしい
うれしいともっとやりたくなる
ソトアソビスクール
堀岡 正昭