幼児期には、知識の量を増やしたり、認知能力を開発するよりは、感情や感覚を育て、思考する習慣を身に付けましょう。
「もっとこうしたい!」といった意欲や身体感覚といったものは遊びを通して身に付けることが出来ます。
思考する習慣は大人の関りで大きく影響されます。
子どもは元々好奇心旺盛な存在です。
身近な興味ある物をじっくり観察する特性があります。
この時に大人はつい、
「何しているの?」
「何ていう虫か知っている?」
「これは〇〇という虫だよ。」
と正解を教えたがる傾向があります。
しかし、大事なことは正解を知ることではなく、興味ある物をじっくり観察することと、自分で感じたり、考えたりすることです。
子どもは小さくても「思考」するのです。
この「思考」の機会を妨げないということが重要です。
私たちは、子どもが「思考」している瞬間を逃さず、「思考」している時は、「思考」を妨げないように、声をかけるのを控えます。
この時に必要な情報は大人からの知識や正解ではなく、子ども自身が感じている感覚そのものです。
見たり、触ったり、嗅いだりした時の感覚を大事にしようと思うから、私たちは黙って彼の行為を見守るのです。
この時に大事なことは、ただ見ているのではなく、肯定的な雰囲気であたたかい感情とセットで経験させるということです。
「自分は守られている。」
「こうしてたっていいんだ。」
そんな安心できる環境が必要です。
だから私たちは、彼の側で、彼の見ている物を一緒に見たり、目線を合わせてほほ笑んでいたりするのです。
私たちは子どもの「思考」を育てようと思っていますが、それには身近な大人との信頼感や自分自身への肯定感情が欠かせないのです。
子どもの「思考」を育てようと思ったら、大人の果たす役割はとても重要なのです。
ソトアソビスクール
代表 堀岡 正昭