遊びを通した主体的な体験学習

前回は、子どもへの働きかけの基本について説明しましたが、では具体的な学習の中身、方法について述べていきます。

様々な学習方法がありますが、特に幼児期の特性を踏まえて環境を通して行うものを基本とします。

小学校以降の教育と大きく異なる点です。

滝山ネイチャークラブの森のようちえんは、自然環境を基本として、遊びを通した体験型学習です。

環境を用意・設定し、体験を構成・提供し、子どもたちが自ら、楽しく、効果的に学べる保育者の働きかけの技術向上を目指しています。

環境・体験・保育技術

環境

1.変化に富んだ環境

今、子どもたちに環境を用意してあげることが大変に困難です。

可能であれば出来るだけ変化に富んだ環境を用意しましょう。

森のようちえんで連れ出してあげられず大変心苦しいのですが、家庭でも都市部であっても、より変化と刺激を求めていくことは出来るはずです。

滝山ネイチャークラブは自ら環境に働きかけていく子どもたちを育てています。

空き箱一つあれば電車にもなれば、お家にもなります。

パソコンにしたり、タブレットにして遊ぶ子もいました。

新聞の折り込み広告はレストランのメニューになったり、クーポン券を切ってお店屋さんごっこが始まります。

要は何の変哲もない、日常の中にも変化に富んだ刺激はあふれているということです。

変化に富んだ環境は自然環境がすべてではないのです。

もちろん時期が来て、安全に遊ぶことが出来るようになれば、高尾の自然は子どもたちの成長をますます加速させることでしょう。

しかし時期が時期だけに、今は家庭で、ウイルスを拡散させない生活圏内で、より変化を求めて自ら環境に働きかけていく「楽しむ心」が必要なのではないかと思います。

2.子どもにとって魅力ある環境

変化に富んだ環境が必要だからと言っても、子どもがやりたくなる魅力ある環境であるということが重要です。

体験型学習の肝は、自ら取り組むということです。

やってみたくなるという内発的な動機付けがとても重要になります。

子どもの興味や関心とどれだけマッチしているか。

大人はつい、(それがどれだけ教科教育に効果があるか)という視点で見がちです。

つまりは学校の成績につながるかどうかということや他者評価はどうかということに力点を置きがちだということです。

幼児期の学習は行為そのものに意味があります。

何度も繰り返す。

好きなことをする。

没頭して行う。

これこそが幼児期の学習において重要な事柄なのです。

これは言葉を変えれば、「遊び」に他ならないのです。

3.子どもの発達に合った安全な環境

子どもは変化と刺激を好み、自らの興味関心に従い、どこでも遊びます。

縁石の上を歩いたり、走り回って身体を動かす特性があります。

森のようちえんでも崖を登ったり、木に登って遊びます。

その内発的な動機付けに基づく遊びは主体的な態度の習慣化につながります。

私たち大人の役割は、その子どもたちの遊びがそこで遊ぶ子どもたちの発達に合った安全な環境かどうかという検証と、適切に働きかけによって子どもたちが自由に遊ぶ権利と安全を守るということです。

子どもの発達が一律ではないように、環境による危険度合いも子どもによって違うということです。

経験が多い子にとっては危なくない環境も経験の少ない子には危険であることは十分にあり得ます。

では、この発達をどう見るのか。

実はこれが保育の専門性でもあるのですが、子どもをよく観察することで専門的な勉強や経験がなくても子どもの発達を読み取ることが出来るのです。

子どもの発達に合った安全な環境を考えるには、まず目の前の子どもをよく観察しましょう。

これは親であっても、専門家である私たちであっても同じです。

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