今回は救急セットについてお話しします。
私たちの活動(森のようちえん)でも救急セットを携行しています。
その中身と使い方、考えなどお伝えできればと思います。
まず初めに、基本的に子どもたちには薬を使用しません。消毒薬、虫除け薬、虫刺されの薬なども一切使用しません。
ですので、この類の薬は常備していません。薬の使用については各家庭の考えもありますし、専門の医師でない我々は薬を使わないで対応すべきだと、そのための応急処置を学んでいます。
応急処置の基本として洗浄・冷却・安静といった処置を行い、怪我の症状によっては、止血や固定を行います。
身近な怪我の場合、水道があれば最低限必要な応急処置は可能だと考えています。
開放性の傷(切り傷やすり傷)には洗浄と冷却が行え、打撲などの怪我でも冷却出来ます。山ではこれが出来ないので、森のようちえんではウォーターバッグで水道水を携行しています。
家庭や園での怪我は清潔なタオルと水道があればその多くが対応可能です。
これで対応できない場合や、痛みが継続する場合、意識がない場合は救急車の要請もしくは受診が必要となります。
私も多くの子どもの怪我を見てきました。救急車の要請も一度や二度ではありません。(森のようちえん活動ではこれまでありません。)経験値が上がると対応に余裕が出来ます。怪我の練習はなかなか出来ませんが、119番の電話のかけ方、大人の連携はシミュレーションで訓練することが出来ます。特に子どもと関わる仕事に就く場合は、仲間とロールプレイングしてより具体的に実践的な訓練をして実際に怪我をした時に、あわてず冷静に対応出来るようにしましょう。
救急セットの中身については、実はこれが正解と言うのはありません。
実際の活動、対象者の特性に応じて自分で用意するしかありません。それでも私たちの活動の実際を想定し、用意しているものをご紹介します。
1.とげ抜き
2.爪切り
3.綿棒
子どもと一緒に活動していると実際に起こり得る怪我、これまで多かった怪我を考え、そして他の物で代用が利かないものは常備しています。
4.グローブ
5.清浄綿
6.絆創膏
感染予防という観点から出血して体液が付着することが想定される怪我の対応は救助者もグローブを着用して自分の感染予防に努めましょう。
絆創膏は傷口の保護と止血の目的で使用することがありますが、必要がない場合は使いません。小さいお子様で精神的な安定となる場合は使用する場合があります。
このような物を基本としながら、ご自身や対象者の特性に合わせて中身を入れ替えればいいと思います。
救急セットも大事ですが、それを使う技術と経験も積み重ねていくこと、中身は定期的に見直し、入れ替えたり補充も必要です。
現場の看護師や野外活動家から聞いた裏技やノウハウなども今後お伝えできたらと思います。
滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡 正昭