あるところに自然豊かな里山がありました。
子どもはそこで生き生きと遊びました。
葉っぱを拾い、虫を探し、木の実でおままごとを楽しみ、様々に身体を動かすことで運動能力も鍛えられました。
でもそこへある日、子どもが転んだら危ないからと草を刈り、木を伐採して、整地して、舗装路も付けました。
そうしたら子どもはそこで遊ばなくなりました。
子どもは自然で遊ばなくなったのではなく、遊べる環境がなくなってきたのです。
昔と違い、経験のない子どもを自然の中に放り出すと事故や怪我が絶えません。
だから、子どもを安全に見守る専門家が子どもの安全を見守りながら、自然の中で遊ぶ方法を教えないといけません。
必要なのは、子どもの発達と行動特性、心理を理解した幼児教育の視点による整備なのです。
それらを理解しようとせず、子どものためと木を切っては子どものためになりません。
大人に都合のいい安全管理の場所で遊べと言っても子どもは魅力がなければ遊びません。
自然管理、公園管理の皆様には、どうか子どものことを少し聞いていただき、本当に子どものための整備と安全管理が出来る幼児教育の専門家の養成にご理解をお願いしたいと思います。
少子化と自然環境の整備を考えるなら、子どもたちが遊べる環境を用意していただければと思います。
子どもたちが遊べる環境とは、カラフルな遊具はいりません。
自然を生かした環境整備、幼児教育が必要です。
葉っぱや木の実を拾ったり、枝でおうちを作ったり、素材を自由に扱える寛容さを求めます。
子どもが穴を掘っても地球は壊れません。
採り過ぎてはだめよ、と注意しますが、子どもたちが思わず美しい花に手を伸ばす行為を少しだけ待ってあげてはいただけませんか。
美しい花を愛でる子どもたちはやがて自然を大事にする大人に育ちます。
木を伐り、山や海を埋め、直線で埋め尽くす行為を良しとしない大人にきっと育ちます。
子どもたちが山や川、自然の中に入ることを正しくご理解いただき、将来の子どもたちのため、未来の自分たちのために本当に必要な環境整備を一緒に考えていただけたらと思います。