森のようちえんの可能性

子どもを自然の中に連れ出していくとき、その懐が深ければ深いほど、我々の手出しすることは少なくなっていく。
 我々は普段、いかに余計なこと、してはいけないことをしてしまっているのか。思い知らされる。何かしてやることが教育だとばかりに勘違いして、押しつけ、教え込み、そして潰している。
 自然の中に子どもを連れて行き、「子どもを叱ることなんて、ないのにね」と確認した。もちろんそこには相当なキャパとスキル、経験がないと容易に「だめだめ」「危ない!危ない!」「あれしちゃだめ」「これしちゃだめ」「あれしなさい」「これしなさい」になってしまう。だから、単純に子どもを自然に連れ出すだけではだめなのである。
 森のようちえんという保育・幼児教育がとても重要だというのはよく分かる。子どもの保育環境を自然の中で、というのは誰もが否定し得ないことだろう。「自然は良くない」という人がいたらお目にかかりたい。「自然は危ない」という人は大勢いるだろう。その論理に対しては上記の保育者自身の資質、スキル、経験を高めていく以外にないのである。資質とは、3つの理解(子ども、自然、遊び)、3つの態度(受容、傾聴、共感)、そして3つの行為(観察、働きかけ、記録)を高めていく保育者の熱い情熱と行動力、そして未来への指向性である。

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