活動のクロージング

自由な遊びを通した活動を行っていると、多くの方が「良いですね」と言っていただけます。

誰も子どもが笑顔で遊んでいるのを否定する人はいません。

そうすると、ただ遊ばせているみたいで、楽でいいねと思われるかもしれませんが、実際やってみると大変なことは現場の先生方とお父さん、お母さんたちが一番よく知っています。

そう、「帰ろうね」と言って、「嫌だー、もっと遊ぶ問題」です。

この帰り方、クロージングがうまくない人が多い。

例えば居酒屋でお酒を飲んで盛り上がっているとします。

その盛り上がっている最中に、「閉店でーす。お帰り下さい。」と急に言われたら、誰もが「えー、なんだよ!」となるはずです。

当たり前の心理です。

夢中になって盛り上がっている活動を外から切り上げさせられるのは誰しも不満です。

だからお店は工夫をするのです。

蛍の光を流したり、「ラストオーダーです。」と言って、そろそり終わりですよ、と知らせるのです。

このぐらいの配慮は当然です。

「そろそろ帰る時間だからね。後、1回ね。」

などとお知らせするのです。

「この子はいつも変える時、『まだ帰りたくない』って言って、ぐずるんです。」

毎回そう言うって分かっているんだったらなおのこと、その子のところに行って、「〇〇ちゃん、そろそろ帰る時間になるから、その遊び、1回やったら終わりにして、片づけて帰ろうね。」と言っておくのです。

そして私たちは子ども理解のプロフェッショナルです。

全然遊んでもくれない、話も聞いてくれない人のことをいくら「そろそろ帰るからね」と言われたところで心から納得するでしょうか。

「お前は全然遊んでもくれなくて、見てるだけじゃん。帰るころになって『そろそろ帰るからね』って言われたって、嫌だね。」

そう言われても仕方ありません。

子どもに言うことを聞かせるために遊ぶわけではありませんが、子どもと信頼関係を構築したいと思ったら、一にも二にも、子どもと遊ぶことです。

それは自分のために遊ぶのではなく、その子の関心、その子の能力、その子の特性を理解しようと思うから、その子の傍で観察し、その子の関心に関心を寄せ、一緒に遊ぶのです。

経験が浅いと、自分自身の満足のために子どもと遊んだり、ただ子どもと遊んでいるだけと評価しがちですが、違います。

保育者が子どもと遊ぶのは、子どものために子どもを理解するために一緒に遊ぶのです。

高度な専門性が必要とされる場面です。

そうやって、子どもと一緒に遊び、子どもから信頼されている人が、「いっぱい遊んだね。疲れたね。そろそろ帰ろうか?」と言うと「そうだね、帰ろうか。」となるはずです。

経験と技術ある先生は、クロージングが上手です。

子どもを勝手に遊ばせている先生は、子どもを観察せず、放置し、帰る時間になったらいきなり急に声をかけます。

子どもが素直に「帰ろうね」と言うクラスの先生は、子どもを集める30分前からアクションを起こしています。

仕事の質が違います。

日本全国どこの園でも自由な遊びを大事にしています、と言いますが、その自由な遊びの時間に先生がどう働きかけているか、クロージングの声掛け、子どもたちの反応に対してどう働きかけているかで専門性が見えてきます。

そんな高度な専門性で、質の高い保育を目指していきたいですね。