小学生がのこぎりで木を切っています。
危なくはないのだけれど、もうちょっとこうした方がいいということがあった場面、あなたならどうしますか?
危険なら止めたり、注意するけど、そんなに危なくはないけど、こうした方がいいんだけど、という場面、ありますよね。
そこだけ、注意する。
でも、案外、これ難しいということに気づくんです。
よくあるパターンの1つに、
まずは「危ない活動は最初に注意説明しないと」といって、説明から入る。
子どもは「やりたい!」と言っているのに、「ちょっと待って」となるから出鼻をくじかれる。
出鼻をくじかれるから欲求不満になる。
欲求不満になるから話もちゃんと聞かない。
注意事項をちゃんと聞かないもんだから、やらせてもけがをしたり、失敗したりする。
そうすると先生に、「ほら、〇〇ちゃんはちゃんと聞いてないからそうなる。」と叱られる。
じゃあどうすればいいか。
やりたいといった子は大人がちゃんとよく見た上で、まずはやらせてみる。
やらせればどこが問題か、どこが危ないか分かる。
そこだけ止めて、そこだけ注意する。
「そんなことすると怪我します。」
だから怪我をしないようにちゃんと見てないとだめなの。
止める力がないとやらせられない。
子どもの意欲を大事にするって言うのは簡単でもそんな簡単なことじゃない。
ここで一つ質問が出てくる。
「ほりさん、危ない活動の前には事前のセーフティートークが必要だって言うじゃないですか?」
そりゃそうです。
危ない活動の前に一律一斉にセーフティートーク入れないと危なくって仕方がない。
今日は川行くよ、川遊びするよ、という日の朝、川についてから何の注意説明もなく、「そら、行けー」なんてやってる指導者はいませんよね。
川遊びというリスクの高い、一斉活動の前には必ずセーフティートークを入れましょう。
危険でなくても、いつもと違う注意説明がある場合にも、必ず全員を集めて一斉に指導しなくてはなりません。
でも、「のこぎりやりたい!」って言っている意欲ある子を前にして、「その前にセーフティートークしてからね」なんてやってたら、話が終わるころには「もういいよ」となってしまいかねません。
そうならないように、子どもの意欲を尊重しつつ、危険のないように子どもの能力や状況を見極めるためにも、よく観察し、安全で子どもたちも満足できる活動にする必要があるのです。
ここで戻って、意欲があってやりたいという子にはまずやらせてみて、どこが問題か、どこが危ないか見極めて、そこだけ注意すると言ったけど、それをやるには、その活動のプロセスを理解していないといけないことに気が付きます。
のこぎりの例に戻ると、じゃあそもそも、のこぎりで木を切る指導って、どうしたらいいの?ということ。
様々な動作にはプロセスがあって、そのプロセスを実は大人自身があまり理解していないことがあります。
鼻をかむという動作もしかり。
ハサミで紙を切る。
お弁当を片付ける。
これらの動作を指導できますか?
大人は案外、「ちゃんとやりなさい」という言葉で片付けることが多いのですが、その「ちゃんと」を正しく理解し、子どもに分かりやすく伝えるとなると急に難度が高くなります。
「出来る」ということと「教えられる」ということは別だということです。
長くなりましたので、じゃあ「問題のあるプロセスを注意する」という時の注意点については次の回でお伝えします。
それではまたごきげんよう