これまでたくさんの事故事例を見てきました。
おそらく日本で一番子どもの病院受診に付き添った保育士だと思います。
そんなものは自慢にもならないのですが、その事故事例を我が事と捉え、事故を予測する脳内データーベースを構築してきたのだと思います。
事故から学べることがあります。
他人の事故から学ぶことで目の前の子どもを事故や怪我から回避させることが出来ます。
人は経験を通し、自ら体験したことは忘れません。
でも、実際に子どもを痛い目に合わせることはないのです。
他人の事故、それを我が事と捉え、想像の世界で体験するのです。
事故を想像の世界で体験するのです。
具体的であればあるほどいい。
人間の力はすごい。
脳内で想像することでVRに負けずとも劣らない体験の世界を作り上げることが出来ます。
想像の世界で体験することが出来ます。
良いこと、楽しいことだけでなく、事故や怪我も体験しておくことでそれを回避する力となります。
経験者にはあんなゴーグルをかけなくても目の前の環境で未来に起こり得る事故がありありと見えてくるのです。
それをどうやったら回避できるか、環境はどうしようか、どのような準備をしておけば安全に出来るか、何を共有しておくことで安全を守ることが出来るか、そう考えていくと事故の確率は格段に減り、安全の質が高まるのです。
想像は考えることとは少し違います。
考えて行動しているうちはまだまだです。
考えて行動していたのでは間に合わないのです。
せずにはおれない行動から子どもや周囲の反応を見て、修正していく方法でないと活発な子どもたちに対応していくのは難しいのです。
最初はとにかくトライアンドエラー。
やって振り返り、これを繰り返す。
そのうちに実際に体験しなくても想像の世界で体験できるようになると思います。
これをイメージトレーニングと言います。
イメージトレーニングを積み重ね、失敗もどうやったら子どもたちが楽しいか、楽しいということも体験しておくことで、活動の効果も上がるというものです。
私はこれまで積み上げてきた経験をエピソードとして後輩たちに語り、彼ら彼女らもぜひ我が事として捉えて欲しいと思います。
そうすることで子どもたちの安全が高まるからです。
日本全国の幼稚園・保育園から死亡事故をなくす。
先生方の技術を高めることで保育を楽しんで行う先生を増やす。
そのために保育現場を具体的にイメージ出来るエピソードを伝えていきたいと思います。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭