経験的に私たちは、変化の大きいとき、気ぜわしいとき、年度末や年度初め、テストの前後など、子どもたちの様子に変化がみられることを知っています。
20年以上前、森のようちえんの活動の原型となった学童保育でのことです。
保育園の1室で、20名以上の小学生の担当をしていました。
小学生を見たことがある人ならわかる、小学生男児のパワーとエネルギー。
狭いところに閉じ込めるとどうなるか?
そこの学童保育を運営していた保育園の園長先生は、「子どもたちをどんどん自然の所に連れ出して欲しい」といったスタンスで、毎日外に連れ出していました。
室内では、やれくっついただの、やれそれは俺のだのと、争いが絶えなかった子たちが、外に連れ出すと生き生きとして、喧嘩がなくなるんですね。
もちろん0にはならないんだけど、不要な喧嘩が減って、何より私の精神衛生上、大変楽になる。
子どもは満足。
私も怒ることがない。
保護者から信頼され、言うことなし。
大変なこともあるけど、やりがいもあり、充実した毎日でした。
そこで獲得した持論が、
「子どもの情緒の安定は、フィールドの広さに比例する」というものでした。
当然それだけではないのですが、まずは外に連れ出す、出来るだけ広いところ、魅力あるところ、遊べるところに連れていくという、そんな毎日でした。
子どもの背景が見えると子どもの状態や行動の理解が進むことがあります。
そうでなくても、子どもをよく観察することで、その子の行動の理由が想像できるようになる。
子どもが落ち着かないのは、落ち着かなくなる理由があるから。
子どもが荒れるのは、荒れたくなるような理由があるから。
その理由を知り、問題や悩みを解決してあげることは難しくても、情緒の安定をサポートすることは出来る。
むしろ私たち保育者の役割はそこなんじゃないかと思います。
子どもの成長や学習といっても、情緒の安定があって始めて外に向かっていけるのです。
不安や恐れがあっては成長しようなどとは思わないものです。
安心できる環境があって始めて「頑張ろう」と思えるものです。
だとしたら私たちは子どもの不安に寄り添い、子どもを外に連れ出すプログラムの開発と研究に注力し、とにかく子どもを外に連れ出すこと。
その中で経験を積み重ね、技術を高めていく以外にないのではないかと思います。
これまで数多くのそれこそ多様な子どもたちを見てきました。
豊富なデータベースがあるから自信を持って「大丈夫です。受け入れできます。」と言えます。
その先にある穏やかで自ら環境に働きかけていく能動的な体験が待っています。
自分で選んで自分で決めるということは嬉しい。
そんな能動的な体験=遊びにしていきたいと思います。
週末、八王子高尾で行う、森のようちえん、小学生を対象にしたアウトドアスクール。
ぜひお越しください。
お待ちしています。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭