保育者の動きに関する保育技術

保育者のポジショニング・ネットワーク・フットワークに関する安全技術
Technology for Networking Safety Control System = TNC

ポジショニング

保育者、一人一人のポジショニングが重要です。独りで子どもを見ない。チームで複数で観る。その複数の眼が機能するように多角的に観る、ということがポイントです。

T はティーチャー(保育者)を、C はチャイルド(子ども)を表しています。大人と子どもの位置関係を単純な図で示しています。

・死角を作らない

目の前の子どもと全体を視界の中に入れる意識とポジショニングがポイントです。

・複数の眼

決して一人で見ようとしない。仲間を頼る。人を信じる。子どもの安全のために頼れるのなら保護者だろうが、地域の住民だろうが、誰でも頼る。これが出来ない、しようとしないのはチームで大きな成果を期待することは難しい。

・多角的に観る

その複数の眼が同じ視点では効果が低い。違う角度から見ることで、危険の察知と子どもの良さの発見につながる。物理的・内面的な意味で多角的な視野が必要。

ネットワーク化

一人ひとりの保育者が自立していることは前提としながらもチームとして機能するためには、ネットワークとしてつながっている必要があります。それはまるで個々のコンピューターがネットでつながり、膨大な情報にアクセスするインターネットの世界のように、私たち一人一人がつながり大きな力につなげます。

・情報の共有

・目的の共有

・子どもの育ちの共有

これらを共有するシステムとしてのネットワークの中に、保護者や地域も含めた大きなネットワークをイメージします。実は安全を高めるためには、このネットワークの中に子どもも入れるのです。大人だけで安全を守るのは困難です。具体的には子どもたちに対して事前にセーフティートークを行い、危険な場所や活動の注意点、禁止・制限事項、活動の流れや手順などを子どもの発達に合った話の内容で子どもが理解できるように伝えるということが重要です。

フットワーク

そうは言っても子どもの動きは予測不可能な場合も多いです。予想外の動きをした時、大人の監視外に飛び出そうとした時、大人のフットワークの軽さが重要な初動対応となります。

いつでも身軽に動ける態勢を取っておくこと、子どもの動きをよく観察しておくこと、理屈抜きに体が先に動く習慣をつけておくことが必要です。

・とにかく動く

・自ら動く(人に言われて動くのではなく、自ら判断し、主体的に行動する。)

・有効な無駄な動き

経験が少ないとせかせか動き回ることが多いかもしれません。しかし、経験を積み重ねることで保育者としての感覚が鋭敏に研ぎ澄まされていきます。(なんかおかしい)(あの子どうしたのかな)(なんか気になる)そうした感覚を持って行動する保育者は危険な箇所にいつも動いています。たまたま遭遇するのではないのです。せかせか動き回らなくても、子どもの異変や違和感を大事にし、きちんと動いているから早期に対応することができるのです。

経験を積んだ先生の動きをよく観察することで学べるはずです。

体力では衰えても、それをカバーする危険察知能力、危険予測能力が研ぎ澄まされていくのです。

瞬発力をカバーするあらかじめ大きな危険を回避する行動力が子どもの安全を守るのです。

私たちは、この保育者のフットワークを高度な専門性として内外に伝えることで、子どもの安全を高める努力をこれからもしてまいります。

滝山ネイチャークラブ

森のようちえん・ソトアソビスクール

代表 堀岡正昭

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