コロナ禍のリスクマネジメント~ガイドラインの検討を中心として
今回の早川弁護士に初めてお会いしたのは2008年2月、東京都キャンプ協会のリスクマネジメントセミナーでした。弁護士さんと聞いて、裁判に勝つにはどうしたらいいかという内容かと思っていたのですが、全く違っていました。どうしたら安全に活動できるかということを弁護士の視点から教えてくださっています。
裁判官がこうしなさいと言うんだから、現場の指導者のみなさんはそうしてください。
安全のために自然体験活動の指導者に早川弁護士はこう仰います。「『下見には行きましたか?』と聞かれますから、下見しましょう。」「活動場所だけではだめです。なぜなら事故はまさかで起こるから。裁判官は『子どもは予想外の行動をする』という認識ですから、『そんなところに行くとは思ってもいませんでした。』と言っても『子どもの専門家は子どもの予想外の行動を想定して、現場の周辺まで調査してください。』と言われますから、活動場所の周辺も下見してください。」と仰います。
今回もキーワードだけ出てきた、津市子ども会裁判で論点となった現場の注意説明についても、以前お話しいただいたことをまとめます。
セーフティートークの3原則
1.一旦集めて
2.一斉に
3.対象者に分かるように
森のようちえんではあまり見ないかもしれませんが、重大な注意説明の際にはこの3つを意識しています。(普段の活動ではあまりしませんが、災害時などはとても重要になってきます。)
安全マニュアルについては以前から「とにかく作りなさい。A4一枚でもあるだけでいい。それをスタッフで共有し、都度改訂しなさい。」と仰っていました。形だけでもマニュアルをまず作る。それは警察が出せというから。私はそれが安全のための物にするために、都度確認し、全員で共有する仕組みを作りたいと思います。
このTNSのサイトもその一つ。みんなで情報を共有し、一人のヒヤリを全員で我が事として捉えるだけで安全は大きく高まります。
今回はコロナ対策のガイドライン策定に向けた現場のリアルな話に時間が割かれていました。
特にソトアソビスクールについてはもう少し突っ込んだ指標を伝えなくてはいけないかなとも感じました。
やはり自分たちはどう考えるか。誰かにガイドラインを示してもらうだけではなく、自分自身のガイドラインがあるや否や。
研修にはモチベーションを高める研修と、学びを求め意識を変えさせる研修があると思います。どちらも必要で、今回のような研修は明らかに意識を変えさせます。もっと学びたいと思ったらぜひおすすめします。