欲求を適切に満たすことから考えよう。
大人はとかく、「あれをさせよう」「これをさせよう」とか、「小学校入学までに〇〇をさせないと・・」などと考えがちです。
でもこれって、幼児の発達特性から考えると、結構難しいということに気が付きます。
詳しくは幼稚園教育要領や保育所保育指針を見ていただければわかるのですが、私たちは子どものことをもっとよく見ていきたいと思います。
今、その子はどんな状態なのか。
発達やその子の行動特性、心理状態や体調などです。
その次に、その子に合ったプログラム、課題を考えていくのです。
幼稚園、保育園は小学校の予備校ではないのですから、小学校に入る前にはこういうことをさせておかないと、と考えるのではなく、今目の前の子どもの状態に合わせた個別のプログラムを考えるのです。
このことは、小学校教育を否定するものではなく、幼稚園教育、保育園の保育を理解し、その子の発達の連続性としてその次の小学校教育を考えるべきなのです。
その子の発達を無視して、小学校ではここから始まりますから、これこれが出来るようにしてきてくださいというのは、実は個別対応を放棄して、一人一人の発達を見ようとしないのと同じです。
そして何より、現場の保育者にとって、一律に全員同じ発達と能力を求めるのは、無理に等しいということ全国の保育者共通の理解です。
やはり幼児期には、子どもの興味関心、発達に即した学習がもっとも自然なのです。
これは、子どもはほったらかしでもいい、というのとは、まるきり違います。
小学校過程までの全体を理解して、その子の発達が今どこにあるのか知らなければ、その子の発達・成長をサポートしていくことは出来ません。
発達の科学的な理解と多くの子どもを見てきた経験を伴う知見と対応力が必要なのです。
課題に追われ、子どもを無理に急かす学習から、子どもの興味関心を探り、欲求を適切に満たすことから始める学習は無理がありません。
子どもの何を観察するのか。
まずは子どもの欲求充足、子どもの心理、満足しているかどうか、楽しんでいるかどうかを読み取れるようにしたいと思います。
ではその次に、子どもの欲求を満たしながら、安全で健康な活動にするには、次回はそのことについてお伝えてしていきたいと思います。