私たち保育者は、子どもが環境に働きかける様子を観察します。
その様子からその子が今どんな状況なのか、その子の行為の意味を推測し、適切な働きかけを判断します。
PDCAサイクルでは最初に計画がありますが、子どもとの関り方という点では、最初に観察ありきです。
計画やこちらの思い通りに子どもを当てはめようという考えではなく、まずは目の前の子どもの状態を観察しましょう。
観察し、判断し、働きかけていくのですが、都度子どもの反応を観察し、働きかけを振り返り、改善策を考え、新たな働きかけを探り、また働きかけていくサイクルを繰り返していくのです。
そうやって、働きかけの精度を高め、より良い働きかけを探っていくのです。
私たちは、保育理念や子どもの発達、長年の経験から適切な働きかけを判断する基準を持っています。
その基準があるから行動できると言えるかもしれません。
しかし、その基準を持たない若い人たちは判断が難しいかもしれません。
だから、「どうしたらいいですか?」という質問をするのかもしれないと思います。
行動を規格化出来る仕事なら、マニュアル化し、行動基準を明確にし、業務として遂行する力はとても重要だと思います。
しかし子どもへの働きかけは規格化することが出来ません。
目の前の子どもが一人一人違うように、その子に対する働きかけも規格化出来ないのです。
子どもへの働きかけは自ら観察し、「これは一体何だろう」「どうしたらいいかな」「やってみよう」という自ら体験を通し、学ぶことが重要なのです。
教わったことは忘れ、行為の意味を自ら考えないと都度質問するはめになります。
その行為の基準となるものが、保育理念であり、子どもの発達であり、安全などの視点なのです。
それらを基に自分で考え、判断する能力がとても重要になります。
その力を高めることで、どんな状況においても応用が利きます。
ぜひその力を高めていただきたいと思います。
そこで、判断の基準となる観察についてヒントをお伝えします。
勉強途中の場合には、保育理念や子どもの発達に対する理解や安全面についてすべてを網羅することは出来ません。
そんな場合でも働きかけのモデルが存在します。
周りにいる先輩保育者です。
どうしたらいいか分からなかったら周りを観察しましょう。
先輩保育者はどうしているかな。
他の子はどうしているかな。
でも周りをキョロキョロし過ぎて、目の前の子どもに「心ここにあらず」と悟られてしまってはいけません。
目の前の子どもと関わりながら、顔を上げて周りを観察しましょう。
判断のヒントがそこにあります。
全体を見るということは自分を俯瞰して、自分と子どもの状況を捉えて振り返る重要な学びとなります。
子どもと一緒になって遊んでいる時は目の前の子ども7割、全体の子ども2割。
子どもが夢中になって遊んでいるのを見守っている時は目の前の子ども3割、周りの保育者の様子5割、といった具合に、状況によって観察の比率を変えるのです。
私たちは、子どもとその周りの保育者を観察し、目の前の子どもに対する適切な働きかけを考え、判断し、行動します。
観察・判断・働きかけ・振り返りのサイクルを繰り返し、判断の精度と適切な働きかけを高めていくことで自信となります。
何を観察し、どのように活かすか。
どのように観察し、効果的に関わり方を身に付けるか。
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滝山ネイチャークラブ
ソトアソビスクール
森のようちえん
代表 堀岡 正昭