私は子どもを預かる保育者として、怪我の責任は個人の責任だという考えに反対です。
怪我の責任は私の責任です。
責任の問題だけではなく、子どもが痛い思いをしているのに、「怪我の責任は自己責任」などという感覚が知れない。
「痛かったね。」「大丈夫?」と言ってやるのが保育者です。
自然体験や野外で活動していたら多少の怪我はつきもの。
それはそうです。
怪我をしないで、転ばないで大きくなった大人は一人もいません。
その時の怪我が命の危険につながるようなハザードとならないように安全に配慮するのが大人の役割です。
転んだ痛みやヒヤッとした体験を通し、人は学ぶのです。
その痛みが学びとなるためには、そばに寄り添い、「痛かったね」と言ってくれる人の存在が必要なのです。
もちろん、現場レベルではそういうことをしてくれていると信じますが、最初に
「怪我と弁当自分持ち」
と保育者(大人)の役割を放棄し、安全のための配慮や指導を子どもに転嫁するようなキャッチコピーで、怪我はつきものです、怪我は自分の責任です、と聞こえるから、「怪我と弁当自分持ち」というモットーに賛同できないのです。
子どもと関わるということは専門性です。
技術が問われます。
怪我の責任に対しても全責任を負うという責任感もない人や団体に自分の大事な子どもを任せられません。
私たちが子どもの頃は自分の責任で危険な遊びもしていました。
そんな時代や社会背景とは違います。
大人が関わる以上、社会的な責任を負います。
「子どもが転んですりむいても文句を言ってくる保護者がいます。」
それは活動の理念と保育者の想いが伝わっていないからです。
子どもが体験を通してしっかり学ぶことをサポートしていること、安全で能動的な体験を通した学びを丁寧にお伝えすることをあきらめず、根気よく、誠心誠意伝えていくということだと思います。
我が子が成長している、育つということに文句を言う親はいません。
転んですりむいて怪我をしたことが育ちにつながっていると考えらえれないから説明を求めているのです。
私は伝わると思います。
その子が大きく成長することはすべての親の願いです。
その願いが叶うと知ったら感謝しかないはずです。
すべての冒険遊び場、プレーパークが、「怪我は自分の責任」と考えているとは思いません。
携わるすべての人が、「これでいい!子どもの怪我は私たちの責任ではない。」と思っているとは思いません。
「何か違う」「もっとより良い在り方があるはずだ」「アップデートしなければ」
そう考えている人も必ずいると思います。
少なくとも、滝山ネイチャークラブの活動に参加する子どもたちの安全は私と私たち滝山ネイチャークラブの責任です。
保護者の皆様は安心して子どもたちにとってより良い学びの体験に期待して、子どもたちを送り出していただけたらと思います。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭