暑さ指数計、タブレット型サーマルカメラ(非接触型体温計)、車内置き去り防止安全装置、乳幼児突然死症候群(SIDS)などを防止する午睡チェックセンサー、防犯カメラなど、子どもを守る最新のテクノロジーの数々。
子どもの安全を守る補助とはなりますが、万能ではありません。
「面倒だから」「誤作動が頻繁だったから」という理由でセンサーをオフにしてしまえば元も子もありません。
導入すれば対策をアピールすることにはつながっても、それだけで安全でしょうか。
現場の私たちは知っています。
何よりも「子どもから目を離さないこと」だと。
しかし、「そんなのは無理」という声も聞こえてきます。
子どもの動きは激しく、予測不可能です。
大勢の子どもを見て目を離さないなんてそんなの無理、と。
では、これならどうでしょう。
子どもを見ながらスマホをしない。子どもを見ながらノートパソコン、タブレット業務をしない。
これなら出来るのではないでしょうか。
先生たちは忙しいから保育中にスマホやパソコンで記録業務を行い、業務の短縮を推奨する園がありますが、それでは肝心な子どもを見る、安全を守る、ということが手薄になってしまいます。
人手が足りないと言われているのに、記録業務他で先生が抜けることでさらに見守りの眼が行き届かなくなり、悪循環です。
もう一つは、夫婦で、ママ友同士で、職員同士でおしゃべりをする時も、「子どもに背を向けない」ということです。
視界の中に子どもを入れておくように意識するだけでも随分違うと思います。
子どもから目を離さない。それは無理なことかもしれませんが、私たちは「どうしたら安全に出来るか」と考えて保育していきたいと思っています。
子どもの安全を守るのは、最新の技術でも、遠方にいる園長先生でもありません。
子どもの目の前にいる私たちです。
匿名の批評家のレビューに惑わされて最新の機器を導入するよりも、現場の先生方の子どもを見守る眼を養いましょう。
行政の仕組みを嘆いたり園長先生の不満を言うよりも、自分たちの観察力、保育力を高めることにフォーカスしましょう。
その機械を導入して本当に安全は高まりますか?
その安心感は誰のためですか?
子どもの安心と安全を守る質の高い保育を見抜く力を身につけましょう。