子どもを観察する力

子どもの評価は加点法

小学校以降の教育は教科指導を中心とした教科カリキュラムを用いられていますが、幼児期の教育は遊びという経験を通した学習を基本とする経験カリキュラムを用います。

どちらがいいという議論ではなく、学習内容が異なり、小学校以降は情報の伝達を通し、知識の習得を目的にしますので、教科といった学習内容が決められて、教科書に沿って教育することが効率的で高い学習効果が期待できるのです。

一方、幼児期の教育は経験を通し自ら感じたり、考えてたりする習慣や態度を形成させることを目標にし、教えたり、覚えさせたりすることよりも、体験を通して自ら獲得することが必要とされます。

その際に、小学校以降と同じ評価方法を用いるとうまくいきません。

達成目標や到達課題を設定し、どれだけ出来たか、何が出来ていないかを測る減点法ではなく、子どもの実際を観察し、その行為がどんな意味があるのか、子どもは何を獲得したのか、心理に迫る見方をしないといけません。

その際に必要なのは採点基準ではなく、子どもを正しく理解する観察力と客観的、平均的な発達の理解です。

子どもの回答を採点基準に照らして採点するのではなく、子どもの実際を正しく見る力が必要なのです。

その力はどうやって身につけるのか。

そのヒントが写真にあります。

子どもの写真を撮り、その中から1枚選び、なぜ選んだのか、その理由をキャプションにしてつける作業を繰り返すのです。

子どもの写真を撮るという行為は保育者の視点、子どもの見方が現れます。

写真を撮る技術ではなく、子どもとの距離感が見えてきます。

ですから、写真はズームを使用せず、広角で撮るのです。

多数撮った写真の中から1枚を選ぶ。

それがあなたの保育観です。

どんな写真を選びましたか。

かわいい子が笑顔で写っている写真ですか。

みんなで写っている集合写真ですか。

その選んだ写真が現在のあなたの価値観です。

それは誰からも否定されるものではありません。

しかし、自分がいいと思っている保育とはどんな保育か、そのことを追求し、子どものことをより理解しようとし、もっといい保育をしたいという視点でもう一度選んでみてください。

その上で、なぜその写真を選んだのか、自分自身に問うて、それを言葉にしてみましょう。

それをキャプションにして発信していくのです。

それがあなたの保育です。

観察力と子どもを理解する力は向上させることが出来ます。

そのために、写真を使って保育を伝えていく技術が注目されています。

私たちがブログで写真を使って保育を伝えていくことにこだわっているのは、この手法を用いることで保育技術を高めていくことが出来るからです。

これまでの子どもの評価を見直し、こうした技法を用いてより適切な評価が広まり、業界全体の保育技術が向上していくことを期待します。

森のようちえんの滝山ネイチャークラブ

保育者養成のソトアソビスクール

代表 堀岡 正昭

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