活動場所を子どもに決めさせる以前に、子どもに選択肢を与えられるほど、そんなに遊び場ってあるわけじゃないなと思います。
季節を活かしたフィールドで、現地までのアクセスや移動時間、子どもの安全や変化に富んだ魅力あるフィールドって考えたら、ほぼ一択だということに気が付きます。
日本全国、野外で活動する森のようちえんにおいても、そう考えて複数の選択肢が用意できる地域があるのならそれはそれで羨ましいです。
天候や予想最高気温、子どもの状態などその日の変数を加味して、条件によってはもう一つの候補地を確保しておくということは必要だと思います。
そう考えるとこの「変数」、その日になって変わり得る要素、特に天候によっては次の候補地があることは望ましいと考えます。
活動場所を子どもに決めさせるか問題を考えたときに、野外での活動経験やそもそも子どもと関わる経験値が低いと、「子どもの主体性」というワードで子どもに決めさせるということが出てきますが、子どもの主体性は出かけた現地で尊重すればいいのであって何も無理に活動場所を子どもの選択肢にさせなくてもいい。
活動場所で子どもが複数の選択肢から自分で選べる魅力ある変化に富んだ環境を用意して、そこで子どもの主体性を尊重して、安全に見守る技術が必要なのです。
何でも子どもに選ばせればいいというものでもなく、子どもの主体性、子どもの選択制を叫ぶ保育者ほど、保育者の主体性、決断力に乏しいと感じることもあります。
子どもに活動場所を選ばせているということで子どもにとって主体的な活動かどうかは判断できません。
そもそも子どもは生まれたときから主体的です。
子どもの主体性や主体的な活動と言っても、何をいまさらという感がなくもありません。
重要なのは名前だけの主体性、選択制保育ではなく、子どもを尊重した保育ではないでしょうか。