子どもを外に連れ出すというのは実に至難なことです。
ましてや水辺の活動となると水難事故の危険、低体温症の危険、子どもを見失う危険に不審者の危険からも守らなければなりません。
今年の危険な暑さは戸外に出ること自体が危険とされています。
対策なしに外出することは、コロナウイルスの蔓延する密閉された空間と同じくらい危険です。
それでも私たちは、子どもたちにとって、外で自由に身体を動かすということ、自由な遊びを通して学ぶこと、人や自然と関わることの意味と価値を知っていますから、どうやったら子どもたちを外で遊ばせられるかという視点で考えます。
活動場所は木陰で涼しい場所を選びます。
荷物の置き場所も日陰で風通しのいい場所を選び、食材が痛まないように気を付けます。
活動場所の選定の他、移動時間や距離なども考慮が必要です。
ライフジャケットやアクアシューズなど、安全のための装備を徹底すること。
滝山ネイチャークラブでは活動初期から、子どもたちの肌を守るラッシュガードの着用を推奨しています。
入水前の準備体操や入水時間の管理、顔色や表情、遊びの様子を見て適時、休憩や水分補給を行っています。
夏の活動はダイナミックな活動が注目されがちですが、私たちは「子どもたちの記憶に残るもの」「子どもたち自身の学習につながっていること」を重視します。
ライフジャケットがあれば水辺の活動は安心ですが、ライフジャケットは万能ではありません。
正しく着用することは大前提ですが、正しく着用していても浮遊体の下に潜りこんでしまえば助かりません。
幼児の活動において、ライフジャケットを着用しないと危険な活動は活動場所の選定そのものを見直す必要があります。
その活動は果たして本当に教育的か。
その活動は本当に子どもの学習につながっているか。
その活動の満足度は実は指導者自身のものではないか。
自分たち自身も通ってきた道です。
失敗やミスも公開していくことで、最も大切なものを失うという失敗を起こさないという強い意志が必要です。
子どもを外に連れ出すということはかなり至難の業を必要とされるのです。
数多くの子どもたちの発達を見てきたデータベースに基づく観察スキル
経験値の高さによる子どもの異変、環境の変化に対する対応力
そして危険と判断した時の中止・撤退する勇気とその後の対応力
そして何より、ネットにも書いてない答えを導き出す力、遠方の園長先生を頼らない自分自身の責任感、現場にいる目の前の子どもを救うためのありとあらゆる策を講じる実行力と素早い思考力。
これらを持ち合わせていなければ子どもを野外に連れ出すのは止めた方が安全です。
私たちは子どもを自然の中で自由に遊ばせる価値を広めていますが、それも子どもたちが健康でいてこそ出来ることです。
この夏も安全を何よりも優先し、子どもたちの笑顔をお届けしたいと思います。
コメント
活動を実際に実践していない人が活動を批評するのは簡単ですが、私たちは安全の質の高さをきちんと説明する必要があります。
単なる批評家に耳を貸す必要はありませんが、説明責任を果たせないのでは危険だと言われても仕方ありません。
質の高さを謳うならしっかり説明し、その上で中止・撤退する基準、判断を誤らず、安全な活動にしていきたいものです。