前代未聞、未曽有の全国一律学校休校に伴い、図らずとも本質を問われる1週間でした。
感染症対策について、厚生労働省のガイドラインを今一度読み込みました。
そこで感じたことの一つが、保育園はすごい!ということ。
これまで、ノロウイルス、ロタウイルス、新型インフルエンザの猛威もなんのその、あれだけウイルスが蔓延する環境で多くの子どもたちをウイルスから守ってきたのです。
誤解を恐れず言いますが、あの環境はそもそも感染症が広がる環境なのです。
それは物理的にではなく、乳幼児という発達特性から言えるのです。
よく保護者の方から、「保育園に入れると病気をもらってくるから嫌!」という声が聞こえてくることがありますが、まずは自分のお子さんの様子をよく観察することをお勧めします。
まずは、何でも舐める。
そして、目をこする。
鼻をほじる。
何でも触る。
お友だちとくっつく。それも異常なくらいに接触します。
この環境で感染症にかからない方が立派です。
でもね、この子どもの特に乳児の行動特性は子どもの発達上欠かせないものです。
病気にかからないようにと舐める度に取り上げていたら、目をこするたびに止めていたら、お友だちとくっつく度に離していたら・・。
そもそも乳幼児の行動特性というのが、感染症を広げる行為のようなものです。
それでもすごいのが、この程度の感染率で済んでいるということなのです。
感染症が出たクラスは他のクラスと交流しないように活動範囲を工夫したり、おもちゃや家具を消毒したり、自分たちが感染源とならないように手洗いやマスク、手袋の着用によって感染源を体内に入れない努力をしているからなんです。
もちろん感染症の情報を保護者や保健所と共有し、みんなでウイルスを撃退してきたんです。
全国の学校が休校となっても保育園は休園しません。
休園するのは確実な方法かもしれません。
でも、それでは子どもの健全な成長、本質的な健康が望めないのです。
子どもはお友だちと一緒に遊ぶことで健康になります。
その子どもが園や学校で遊ぶ権利を奪ってはいけません。
保護者の不安を否定するのではなく、子どもを休ませ家庭で見ることが出来るのならウイルスの感染を防ぐには外出しないのが一番です。
しかし、完全に外部と接触をなくすことは無理で、特に外出し仕事に出かけなければならない保護者の皆さまのウイルス感染(発症に至らなくてもウイルスを保菌していることも十分考えられます。)、また衣類等に付着したウイルスで家庭内で2次感染の恐れがあることは十分に気をつけなければならないでしょう。
感染症にかからないようにするための感染症対策であり、そのための専門性と経験があるのです。
感染症対策についてはあれだけ弱い乳幼児の子どもを預かる集団保育の現場で実際の感染症対策から学び、ぜひ全国の他業種の方々と一般のお父さん、お母さんたち、そして高齢者の方々に広めていきたいと思います。
新型コロナウイルスの疫学的特徴は医療の専門家に任せるとして、子どもの感染症対策については長年の経験と高い対策効果を上げている保育園は最高のプロフェッショナル集団です。
滝山ネイチャークラブも保育所における感染症対策を基本にし、野外で遊ぶ森のようちえんの継続と普及に努めていきたいと思います。