森のようちえんの子どもたちを見ていると、意欲的な子たちだと思います。
「もっと見たい」
具体的な動作を会得している子も多いのです。
「しゃがんで」「ひっくり返して」「掘ってみる」
あるとき、虫好きの子どもにどこに虫がいるのか聞いてみました。
「葉っぱの裏! 石の下! 土の中!」
参りました。
おそらく自然科学の基本だと思います。
子どもは本来、興味あることにはとても意欲的なのです。
「もっと見たい」「もっとやりたい」「もっと遊びたい」
私たちはその意欲を損ねないように、主体的な行動につなげられるよう、環境を整えるだけでいいのです。
やらせてもうまくいきません。
「もっとちゃんと見なさい」「もっとやりなさい」「もっと勉強しなさい」
と言ってやらせても、反動の方が大きく、例え効果があっても一時的な成果です。
私たちは子どもたちに本質的で永続的な力をつけさせたいと思います。
それには、子どもたちの内発的な動機付けを引き出す以外にないのです。
つまりは、子ども自ら「やりたい」という意欲を大事にし、それが実現できる習慣を身につけさせるのです。
でもこんな不安も湧いてきます。
(遊んでばかりいていいんだろうか。ほりさんの言っていることは分かった。だけど遊んでいるだけでいいの?)
この疑問は当然で、遊んでいるだけではいけません。
私たちは、この「遊び」を「学び」につなげたいと考えているのです。
じゃあ知識を詰め込み、早期教育すればいいのか。
幼児期に体験を伴わない知識の詰め込みが効果がないことは科学的にも証明されています。
私たちが考える幼児期の学力とは、まさに「意欲」そのものなのです。
幼児期にたっぷり遊んで、しっかり意欲を持って取り組んできた子は、小学校に行っても勉強するんです。
だって、知らないことがいっぱい書いてあって、(知りたい!)(見てみたい!)(勉強したい!)という意欲を育ててきたはずですから。
後は、子どもが自らやりたくなるような魅力ある学習環境を整えるだけなのです。
魅力ある先生が教えてくれる楽しく学べる工夫がある授業。
もっと知りたいと思ったときに自ら調べられる図書空間。
安心して学校に通える良好な人間関係。
これらを整えるだけで子どもは言わなくても勉強するようになるんです。
森のようちえんのソトアソビで、たっぷり遊んで、しっかり体を動かす。
意欲的に遊ぶことで、主体的に取り組む姿勢を習慣化させる。
「もっとやりたい」という向上心を具体的に実現できるような環境を整え、今幼児期に必要な学力をしっかりと身につけさせていきましょう。
滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭
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