認知(言葉や概念)で理解しようとする力、例えば、(「お姉ちゃんなんだから、ちゃんとやらないといけない」とか「勉強はしなきゃいけない」)ということがあります。
でも、感情では、(「やりたくないな」とか「本当はこうしたい」)という気持ちが働く。
子どもが、自分の行動をコントロールするに当たって、認知によるコントロールばかりが働いて、感情に寄り添ってもらえないと感情をコントロールすることが難しくなる。
本当はそうしたくないのに、(これこれこういう理由だからそうしなさい)という認知コントロール(心理学では外的コントロールとも)ばかりが働いて、しかもその相手が好きな人、大切な人(例えば多くが親や先生)だとなおさら、その相手の意に沿おうとして自分の感情を押し殺してしまう。
そうではなくて、私たちは、子どもの気持ちに寄り添い、きちんと子どもの気持ちを受け止める。(「嫌だったんだね」「本当はやりたくないんだね」)といったマイナスの感情すらもきちんと受け止める。その上で、きちんと状況を伝える。こちらの思いや気持ちも伝える。
大人も実は必要なことではないかと思うが、自分の感情をどれだけ自分で理解できているであろうか。(「どうしてこんなにイライラしているのだろう」「なんで嫌なんだろう」)それを言葉で理解する。「使っていたおもちゃをお友だちに取られて嫌だったね。」「一番になれなかったから怒っているんだね。」子どもが自分の感情を知り、行動をコントロール出来るようになるには少し時間がかかる。何回か練習しないとうまくいかないかもしれない。その時に、認知コントロール(外的コントロール)で子どもの行動をコントロールしようとしてもだめ。人は自ら内発的な動機付けに基づき、自ら変えようとしない限り、本質的な行動変容は期待できないのである。
東京学芸大の大河原先生が子どもの感情コントロールについて詳しく書かれています。
そこには、子どもの感情に寄り添うことと言葉で気持ちを説明してあげること、その上で「自律」の力を獲得するプロセスとしてしつけにも言及されています。
子どものマイナス感情や問題行動に対して、理解した風に何でも「いいよ、いいよ」ではなく、子どもの発達年齢に即した妥当な守るべき「枠組み」を示すこと、子どもがその枠組みにぶつかって不快感情を表出してきたときに、大人はその不快感情を承認はするが枠組みは変えないということが重要だとも。
発達心理や脳科学の研究が進み、感情や子どもの行動特性についても研究が進み、科学的に解明されることも増えてきました。私たちは、経験にのみ頼るのではなく、常に科学的な裏付けを基に、より良く子どもたちを理解したいと願います。
最新の知見や私たちが持っているノウハウなどもお伝えしながら、保護者の皆さんと一緒に子どもの育ちに共に寄り添っていきたいと思います。
文章でどれだけ伝えられるか不安もありますが、実際の父母講座の補完にと思い、これからも発信していきたいと思います。
いつもお話を聴いていただき、ありがとうございます。
1月21日父母講座
滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭