幼児期になぜ、自然環境が良いのでしょう。
長く幼児教育に携わってきて言えるのは、自然の中には幼児期の教育環境として必要な要素が備わっているということです。
日本全国どこの幼稚園・保育園でも、何もなく、狭い会議室のような所で保育している園はないでしょう。
いろいろな玩具が置いてあったり、いろいろな工夫があるのではないでしょうか。
幼児期には発達に見合った選択肢が必要です。
子どもはそれぞれ個性があり、好みがあり、やりたいことも一人ひとり異なります。
その子たちの発達や個性に応じて選択できる環境が必要です。
集団の規模に応じた量が必要です。
また単純に数が多ければ良いというものではなく、変化が必要です。
質的な変化です。
絵本の数だけでなく、内容も多彩に、昔話であったり、科学絵本であったり、短いの、長いの、変化に富んだ環境が必要だということです。
さらに最も大切なことは、それらの環境が子どもにとって魅力的であるということです。
どんな環境も子どもが遊びたくなるような環境でない限り、子どもは自ら取り組もうとはしないものです。
これらのことが子どもの身体能力を育てる知見から東京学芸大学の杉原教授らの研究からも明らかになりました。
幼児期に健康でしなやかな身体を作ろうと思ったら、
1.様々な動作が期待できる環境
2.繰り返し行うこと
3.子どもが自ら取り組むこと
が必要だということです。
これらをすべて満たすのが、自然の中で自由に遊ぶ森のようちえんではないかと思うのです。
自然の中は2つとして同じ条件の環境がありません。
様々な動作を必然的に要求し、魅力ある自然環境は自ずと「また行きたい!」「もっとやりたい!」となり、学習にとって必要な反復練習を結果的に行うことになります。
また、心理学的にも最も学習効果の高い内発的動機付けに基づく行為は繰り返し行うことで学習の精度と向上心をさらに高め、良い相乗効果を生み出します。
そんな幼児期の学習のことを私たちは、「遊び」と名付けます。
遊びこそが子どもの内発的動機づけに基づく行為であり、最も高い学習方法であり、より良い幼児期の学習なのです。
自然の中で遊ぶことで健康でしなやかな身体を作ります。
多種多様な素材に触れることで豊かな感性と創作意欲につなげます。
それでは、自然環境ならどこでも良いのでしょうか。
誰でも良いのでしょうか。
放っておいて良いのでしょうか。
自然環境における教育方法については次回。
滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡 正昭