今から20年以上前、僕にはかわいい彼女がいました。
5歳児の彼女はいつも部屋には入らず、みんなのお集まりも部屋の外で寝そべっていました。
幼稚園に就職した初めての年。子どもの扱い方も分からなかった新卒の僕にはおろおろとするしかなかったのです。
そしてどうしたかというと、彼女といっしょに部屋の外のベランダで寝転んで、部屋の外でままごとのテーブルを出して2人でお弁当を食べました。
「いいねえ、センセイ」
と冷ややかに声をかけてくれるお母さんたち
すべてがありがたい思い出です。
そんな彼女も僕を慕って今だに逢いに来てくれます。
「ホリオカセンセイ」
僕の出勤日を知っているかのように、やってくる。
時に僕がいない日は
「ホリオカセンセイは今日はいません!」
と言われても彼女は忘れない。
「ホリオカセンセイ」を。
僕は彼女から教わりました。
子どもの気持ちが分からなかったら、
どうしてそんなことをするのかその行為の理由が分からなかったら、
「いっしょに同じようにすればいい」
ということを。
彼女といっしょに寝そべって、
彼女と同じように声を発し、
彼女と同じように見られて、
彼女の気持ちが分かるようになった気がします。
だから、
もしも子どものことが分からず、
「なんでそんなことするの!」
と思ったとしたら
いっしょに同じようにしてみることを
お勧めします。
そうしないとおそらく一生分からないでしょう。
子どものことを理解するということは出来ないでしょう。
まあ、賢い方法だとは思いませんが、子どもといっしょになって、子どもになれば、子どもの気持ちも理解できるのではないでしょうか。
その上でどうしたらいいか、どうしなければいけないか、検証すればいいのです。
今日も新しい彼女が事務所にやってきてくれました。
「オトーサン、ジュウデンデース」
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