リレー

リレーの取り組みにもプロセスがあるんです。
まずは、かけっこって楽しい、走るってうれしいという感覚が大事なんですけど、子どもはみんな走るの大好き!
大好きな先生がラインでも引いて「よ~い、どん!」なんてやるとみんな走り出す。
ここにも実は走る→リレーへの要素が満載なんだけど、走るのが楽しくなると今度は園庭の真ん中にトラックでも描いてやる。始めは少し小さめが良い。メジャーなんか持ってきちゃだめですよ。始めはそんなもんフリーハンドでさっと描いてやる。トラックをぐるぐる走ることが楽しいんだから、ラインが真っ直ぐとか正確なトラックかどうかなんて関係ない。
いつも遊んでくれる魅力的な先生がそこにいれば、子どもたちはトラックをぐるぐる走り出す。たまに一緒に走ってやると良い。このぐっちゃぐちゃなのが良い。というより、このぐっちゃぐちゃがとても大切。以前、「最初にリレーのルール教えないとね。」なんて言う人いたけど、民主主義とかルールとか分かってない。ルールって子どもが決めるものなの。最初に教えちゃだめなの。子どもの遊びって本来そう。
そのうち、スタートのラインを引いてやる。そうすると上から見るとリンゴみたいでしょ。だから、「リンゴリレー」。この頃にはチームに分かれたりするから、いろいろ出てくるはずなんです。この頃からですよ、クラスが楽しくなるのは。男の子なんか単純だから、「俺たち強いからたくさんいると勝てる」なんて人数揃えないでやるもんだからどうしても勝てない。勝てるわけないよね、人数多いんだもん。人数を揃えてやらないと勝負がつかない。線の中に入るとずるい。どうしても勝ちたい。そんな子どもたちのやり取りが楽しい。
そう、リレーという競技を通して、走り、体を動かし、健康な身体を作るということももちろん大事だけれど、仲間とチームに分かれて問題を解決したり、仲間作りという要素がリレーには含まれている。そうした体験が子どもたちに必要なんです。決してマニュアル化出来るものでもないけれど、リレーという活動を丁寧にトレースしていくと仲間作り、人間の社会化にはいくつかのプロセスがあるということに気がつきます。何より、その過程が楽しい!悲喜こもごものドラマがある。そんなリレーを子どもたちと取り組めたら何と楽しいことでしょう。

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