以前、藤野に子どもたちを連れて行ったとき、途中に野菜の無人販売の支度をされているおばあさんがいました。
こんにちはー
おせわになります!
いってらっしゃい
どこまで行くの?
子どもたちに笑顔で話しかけてくれました。
子どもたちも「何をしてるんですかー?」と尋ねると、
「無人販売の準備をしているのよ。」と答えてくれ、そうこうやり取りしているうちに1人の子が、
「お金を入れないで黙って持って行く人とかいないんですか?」
と尋ねました。
するとおばあさん、
「あのね、そういう人もいるかもしれないけど、そんな風に思ってたらこういうことは出来ないのよ。お金がある時に入れてくれればいいって思ってるのよ。」と話して下さいました。
素晴らしい社会勉強だとは思いませんか。
今日日、お金のやり取りを教える授業はあっても、無人販売であっても、人と人とのつながり、心構え、物の捉え方を教えていただける機会というのはそうそうあるものじゃありません。
アプリがあればもっと簡単に決済まで出来るかもしれない。
防犯カメラがあれば取りこぼしも少なくなるかもしれない。
でも、大切なことはそんなことじゃない。
物事をどう捉えるか。
考え方、人としての心構えです。
おばあさんにはそんなことを教えていただきました。
私たちが育てたい人格者とはこういう人のことです。
誰に立派だと言われるとか、メディアに取り上げられるとか、そんなことも重要かもしれませんが、人として大切なことはもっと他にある。
教育の目的は人格の完成である。
教育に少しでも携わるすべての人が押さえておかなければならない教育の目的、そのために私たちは外に連れ出し、人や自然と関わり、時に指導し、時に分かりやすく翻訳し、子どもたちに理解しやすいように伝えていくのだと思います。
子どもの野外教育でしょ、と侮るなかれ。
子ども時代に受けた教育はその後の人生の基礎となるのは皆さんがご存じのとおりです。
そこでどんなことを聞いて、何を体験するか。
私たちはその体験の質を高めていきたいと思います。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
小学生のための自然体験、「アウトドアスクール」
代表 堀岡正昭