森のようちえんでは、出発前、人数点呼を取ります。
「今日は何人いるかな?」
子どもたちだけの朝の会では名前を言って、自己紹介します。
それはなぜでしょう?
答えは、安全上の理由と子どもたちに仲間を意識してもらい、人に対する関心を育てたいと思っているからです。
森のようちえんでは活動中、子どもを見失わないように、スタッフ同士連携し、子どもの動き、行動範囲を把握し、子どもたちの安全を守る義務があると考えています。
でも、子どもたちにとっても、大切な仲間の存在、居場所に関心を持って欲しいから、意識を他のお友だちにも向けてもらいたいと思います。
誰か一人いなくても気づかないのでは困るのです。
それは私たちが困るだけではなく、大切な仲間がいないということにもっと敏感になって欲しいと思うのです。
だから、活動前と活動に変化を付けるとき(例えば活動場所を変える時など)、活動を終えて帰る前に人数の点呼を取るのです。
「1人いない!」
「誰がいない?」
「〇〇ちゃんがいない!」
「どこ行った?」
「あそこにいる!」
「そうだね。じゃあ、全員揃ったね。」
もちろん私たちはまだ揃っていないのを承知の上で子どもたちに確認させるのです。
大切なお友だちが一人でもいないことに無関心な子どもには育てたくないからです。
森のようちえんが安全なのには理由があります。
大勢いるから人と関わる力が育つのではなく、人と関わる体験、お友だちに関心を持つことを意識して習慣化していくことで人と関わる力が育つのです。
訓練でもなければ、数の勉強でもない、安全のための配慮が、子どもたちと一緒に楽しめたらどんなにいいだろうと考えます。
安全は作られる。
安全で楽しい森のようちえんが増えることを期待しています。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭