森のようちえんの子どもたちに、「子どもだけで川遊びに行ってはいけない」と話すことがあります。
必ずおうちの人や森のようちえんの先生たちと一緒に行くこと、「こっちから向こうは行っちゃいけないよ」と言われた活動場所の制限は守ること、危ないことはしないこと、など話しています。
子どもたちの年齢や理解に応じて、川の危険を知らせます。
そもそも滝山ネイチャークラブでは、水難の危険が予想されるような場所には連れて行かないのですが、それでもカッパのたとえ話や実際の事例を分かりやすい言葉で伝えるようにしています。
先日は小学生を普段使わないフィールドを見せに行きました。
すると子どもたちが、「ここはやばいよ、戻ろう。」と戻っていきました。
私は、この感覚は大事にしたいなと思います。
「なんかやばいかも」
山であろうと、川であろうと、なんか怖いな、戻ろうよ、そんな経験と本能から来る感覚を大事にして、子どもたち自らも危険を察知する能力を持っていて欲しいとも思います。
その上で、私たち大人の見守りが必要不可欠です。
基本は子どもたちから目を離さないこと、グループ、チーム全体で子どもを把握すること、専門的な見守りの技術はソトアソビスクールでお伝えするとして、もう一つは、地域の人、地元の人の話は聞くもんだ、と思います。
「あそこは危ないからよした方がいい。」
「以前、事故があったんだ。」
「今日はやめた方がいい。」
人生の先輩方の忠告は真摯に受け止め、ライフジャケットやアクアシューズなどの装備をしっかりしていること、準備体操や監視体制を整えていることを伝えると応援してくださいます。
八王子高尾の自然を守り、このすばらしさを継承し、そこで遊ぶ安全な見守りの技術を伝えていくことが必要だと感じます。
この体験を広めないと、体験のすばらしさ、自然の美しさ、そしてそこで遊ぶ高度な保育技術が継承されないままになってしまいます。
「自然はいいけど、危ない。だからやめよう。」
ではなく、本当にいいのなら、しっかりと学び、技術を高め、安全に行っていけばいいのです。
本当に安全な水辺の活動を経験させようと思ったら、知識と技術ある専門家にお任せください。
この先何十年と続く未来に、この豊かな自然とそこでの遊びを後世に伝えていきたいと思います。
森のようちえんの滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭