教科カリキュラムと経験カリキュラムの違い
幼児期の教育は小学校以降の教科教育とは異なり、体験を通して学習する体験型学習です。
どちらが良い悪いではなく、対象と教育内容によって教育方法は変えるべきです。
知識の伝達や技術の習得を主とした、教科を指導するには、教科カリキュラムの方が効果を上げることが出来ます。
反対に、心構えや態度、行動習慣を身に付けるには体験を通した体験型学習が効果的です。
子どもたちは体験(遊び)を通して、自ら感じ、内面化し、経験とします。
子どもの主体的な遊びの中では、経験と同時に自ら振り返り、学びにつなげていることが多いです。
幼児期の教育は教科を教えるのではなく、心情や意欲、人に対する信頼感や安心感、自己肯定感など、非認知能力と言われるような能力を、体験を通して自ら学習する経験カリキュラムが効果的です。
保護者用ブログを活用した振り返り
現在、森のようちえんの活動の様子は、一般の方向けのブログと、保護者向けの保護者用ブログで配信されています。
これまでは保護者の方々に活動報告としてお伝えしてきましたが、保護者用ブログの活用として、子どもたち自身の振り返りを助けるツールとして提案します。
先ほども申し上げた通り、子どもたちは経験と同時に自ら振り返り、学びにつなげていることが多いのですが、家庭における保護者用ブログの活用でこの振り返りを深めることが可能です。
ブログの活用法
では、どのように活用するのが子どもたちの学習を深めることにつながるのか、ポイントをお伝えいたします。
①親子で一緒に見る。
どうかご家庭において、ブログを子どもたちに見せる場合は、保護者の方と一緒にご覧いただくことをお勧めします。
ここで大事なのは、見せるタイミングです。
子どもたちが他の遊びに夢中になっている時に、
「よし、森のようちえんの振り返りだ。一緒にブログを見よう。」
と子どもの興味関心を妨げるようなことをしてはいけません。
子どもが少し持て余している時、遊びが盛り上がって一段落した時、一緒に遊んでいて遊びを切り替える時などに、
「じゃあ、森のようちえんのブログを一緒に見てみる?」
と誘ってみてください。
大事なことは、子どもの動機づけを引き出すということです。
②親も楽しむ
次に大事なことは親自身が楽しむということです。
親が仕事のように感じ、義務感で見てるとしたら、子どもにも伝わってしまいます。
無理に演じることはありませんが、
「うわーっ、すっごーい!」
「楽しそう!」
「これ、なあに?」
と一緒に楽しみながら見ていただくことで、子ども自身の内発的な動機付けが引き出され、子どもも主体的に見ることが出来ます。
③内省をサポートする。
これが一番難しいのですが、子どもがじっくり見ている時は、黙ってその様子を観察してください。
この時に、
「これは何をしているの?」
とか
「おもしろかった?楽しかった?」
と話したり、質問したりするのも控えてください。
この時の子どもたちの脳内で行われている追体験と自己内対話を大事にしていただきたいと思うのです。
写真をじっと見つめたり、深く考えているような表情をしたり、または難しそうな顔をしていてもこの時間の内省を大事にしていただきたいのです。
この後、子どもがお話ししてくれたら、うなずいたり、相槌を打って、聴いてあげてください。
基本的には黙って聞いてあげることが大事です。
つい大人は、正解を教えてあげたくなるものです。
でも大事なことは、「子ども自身が獲得する」ことです。
今はまだ言葉で学習の成果を伝えることが難しいのですが、子どもたちの脳内には必ず記憶されています。
その成果を子どもの育ちと言います。
子ども自身が育つことを信じて、その学習を助けるツールとして、保護者用ブログの活用を提案いたします。
子どもたちの反応を見て、様子を聞かせていただけたらと思います。
子どもたちの学習を深めるツールとしての保護者用ブログの可能性を感じながら、さらにより良い物にしていけたらと思います。
子どもたちの育ちを実際の体験と体験後の振り返りでサポートしていきたいと思います。
滝山ネイチャークラブ
森のようちえん
代表 堀岡 正昭