救命救急ということを考えると、改めて保育士さんたちのすばらしさを実感するわけです。
そりゃあ命の危機に遭遇する機会なんてそうしょっちゅうあるわけじゃないし、あっても困る。
でも、例えば嘔吐なんて日常的なんです。
子どもが泣いた、転んだ、怪我した、なんて日常茶飯事。
その度に周囲の危険に10秒もかけて判断してたんじゃ遅すぎる。
おそらく現場では0コンマの時間で判断してる。
「ハイ、みんなこっち来て」
と言って他の子どもたちを誘導する職員が2秒後には動いている。
グローブと嘔吐バケツを持って現場に駆け付ける職員が3秒後には到着している。
素早く行動しないと、子どもなんて好奇心旺盛だから、「なになに?」と言って触っちゃう。
保育園ってそういう現場なんですよ。
そもそも現場の危険が自分自身にも第三者にも傷病者自身にも降りかかるような環境だとしたらそもそも環境設定が間違っている。
原因や診断なんて後でいい。
評価なんて言ってないで、まず動け。
それはね、災害医療とか緊急医療とかかけ離れた現場だからこそ言えることだけど、私たちの日常って、そんな感じなの。
毎日起こることに対応できる方がもっとすごい。
そりゃ現場の救急隊員に比べたら処置できる内容なんて限られている。
でもね、保育現場って、そんな小さな怪我がほとんど。
そんな小さな怪我や事故に対して日々考えて、自ら判断して、即実行する能力が求められている。
目の前の子どもの怪我に対して冷静に判断する力が求められている。
そんな現場なんです。
では救命救急は意味がないのかといったらそんなことはない。
命の危険に対して最小限の被害に抑え、出来ることを最大限増やすためにも研修は必要です。
定期的な研修受講の機会と、日々の実践の中で、「自分で考える保育」「自ら判断する保育」「保育者自身が主体的に取り組む保育」を行っているか否かが子どもたちの安全を守ると考えます。