野外での安全講習でもよくKYT(危険予知トレーニング)を行い、イラストを見て、危険を探すというのがあります。
以前からその効果について疑問もありましたが、森のようちえんの安全講習で、新潟の仲間が
「現場ではこんな小さな危険を一々上げていたらやっていられない」
というような趣旨の発言がありました。
現場に潜む危険を感じ、その危険を職員間で共有する必要性は感じながらも、KYTの効果に疑問を感じていた私も共感する部分でもありました。
森のようちえんをやっていて、現場で感じるのは、危険の数を上げることよりも、何を優先してどこに対応していくかということとその判断・選択の速さの方が重要ではないかと感じます。
野外なんて言ってみたら、「全部、危険」
それを上げたところであまり意味がないようにも思います。
その中で最も危ない所はどこか。
職員を配置しなければならない所はどこか。
事前の調査で危険な個所を調べ、職員で共有する価値は認めながらも、次は物事の優先順位を判断し、素早く決断する能力が必要なのではないかと感じます。
泣いている子と転んだ子、どちらを先に対応するのか。
ほぼ瞬間的に決断する状況判断が求めらます。
「人手がないので出来ません。」と言う職員ではなく、どうしたらそれが出来るか考え、人を配置し、的確に指示し、対応出来る職員が求められています。
「あれも危ないよね、これも危ないよね。」と言うだけでは安全にはつながりません。
「もっとも安全なことは、子どもを預からないことである。」という冗談のようなことにならないためにも、私たちは、あえて困難に挑戦し、教育的成果を最大限に高めるために、危険を見極め、物事の優先順位を瞬間的に判断する力をつけていきたいと思います。