自然環境なら何でも良いのでしょうか。
そこには子どもが自ら主体的となって活動する「遊び」という行為がないといけません。
自然の中での教育は、そこから子どもたち自身が獲得する学習成果を期待します。
外からやらせて取り組ませた体験ではやらせた側の満足は高いかもしれませんが、本当に学習の成果があったのか疑問です。
私たちは子どもたちの内発的な動機付けに伴う主体的な行為に基づく、学習方法を採用します。
幼児期にはそれこそが「遊び」なのです。
よく子どもの遊びには大人の介入はしない方がいいという意見もありますが、それは教育と言えるのでしょうか。
教育とは、環境を設定し、意図した教育的効果を達成するプログラムがあって教育的営みと言えるのではないでしょうか。
大人(教師)は積極的に環境に、子どもに、働きかけていくのです。
その働きかけ方が問われるのです。
私たちは、子どもの発達を理解して、個別に指導します。
その子の発達や個性、行動特性を理解して、安全に、かつ教育的効果が高まるよう指導するのです。
何も働きかけないで見守っているだけの保育は、放任と変わりません。
その働きかけ方は技術であり、専門性が問われるのです。
子どもの理解、自然の理解、遊びという体験の理解に基づいた働きかけです。
自然は大事、遊びも大事、教育も大事とは言いますが、それらの根幹になくてはならない重要なものがあります。
それは、「楽しい」ということです。
楽しいという感情はそれ自体が子どもの内発的動機づけになります。
その「楽しい」という感情を研究していくと、教育の指導方法にも高度な技術が必要であることが分かります。
滝山ネイチャークラブの森のようちえんを始めとした活動が「楽しい」のには理由があります。
偶然楽しいのではなく、必然的に楽しくなるような働きかけのセオリーに基づいているからです。
それを学び、身に付けることで、子どもも楽しく、保育者も疲弊することなく、教育的効果を高めることが出来るのです。
次回はその専門的技術、遊びの盛り上がり曲線についてお伝えします。
滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡 正昭