理念に基づき行う理念保育とは

園運営をいくつか見てきて思うことは、園の理念、園の存在理由(目的)が重要だということです。

保育を行うのは園長でも、立派な園舎でも、高価な玩具でもない。

保育を行うのは現場の保育者なのです。

その保育者を一つにまとめるのは園長でしょうか。マニュアルでしょうか。

現場のリーダーの役割でしょうか。

私は、理念だと思います。

人は考えも行動も感覚もそれぞれ違います。

園をまとめようとして、行動パターンを共通化しようとしても意味がないと思います。

滝山ネイチャークラブは、そもそも違う人の考えや感覚、行動パターンを揃えようとはしません。

そもそも同じには出来ないのです。

夫婦でも同じです。

生きてきた生活環境や背景も違うので、夫婦であっても考えや感覚は違って当然です。

それでも一緒に生活できるのは相手への尊厳があるからです。

滝山ネイチャークラブでは、誰であっても人に対して敬意を持って接して欲しいと考えます。

それが理念です。

人を中心において、人を大事にする考え、それが滝山ネイチャークラブの理念の基礎となっています。

選択理論心理学の勉強会で目標達成の技術を学ぶと、自分の目的、生きる意味を明らかにしないといけないことに気づきます。

そしてその目的を達成するためには、組織の問題を外せないことにも気が付きます。

組織運営をどのように進めるのか。

園では経験値に基づき、先輩たちの感覚で保育が行われていることが多いのではないでしょうか。

保育理論や保育理念に基づく保育運営ではなく、経験や勘、感覚に基づいて行われている感覚保育、経験運営です。

規模が小さい時や昔はそれで良かったのかもしれません。

すぐれた先輩方の感覚に基づく保育実践が悪いと言っているわけではありません。

規模が大きくなってくると優れた感覚や経験に頼って保育していると判断基準が不明瞭です。

一々先輩や園長に尋ねればいいのでしょうか。

それも勘や感覚に頼っているとあいまいだったり、ぶれたりします。

私にもそうした傾向がないとは言いません。

優れた勘や感覚があるから、経験というデータベースを紐解き、判断するのです。

しかし、滝山ネイチャークラブもそのうち、「ここで働きたい!」という若者が増えてきます。

その時に彼らが「私」という、経験者であり、創業者の脳や記憶にアクセスして検索するのでしょうか。

それは無理ですね。

だから私は理念を明確に打ち出し、いつでも誰でも迷うことなく判断できる価値基準を明らかにしておくのです。

その価値基準は理念であり、働く目的です。

滝山ネイチャークラブは理念に基づく経営、理念経営を行い、縁ある人々すべての人の目的を達成することを目指します。

 


選択理論心理学と私

毎月1回の心理学の勉強会に参加しています。

選択理論心理学を基にした目標達成の技術を学ぶ会です。

この会のすばらしいところは、選択理論心理学を基にしていることです。

目標達成の技術だけなら、ノルマを作って社員に無理難題を強制するブラック企業でもやっています。

「まずは心構えから」

「具体的な目標を立てよう」

「ゴールから逆算して行動計画を立てよう」

言っていることは同じですが、

「気合が足りないんだよ」

「この売り上げを目指すんだよ(トップダウンの無理な目標)」

「なんでノルマ達成できないんだよ」

当然我々はブラック企業ではないので、科学的、心理学的に効果的な方法を探るのです。

選択理論心理学は外的コントロールを用いません。

外的コントロールで人は本質的には変わらないからです。

人の行動変容を期待するなら外的コントロールではなく、内発的な動機付けによる自発的、主体的な行動でない限り、本質的には変わらないのです。

実はこれ、幼児教育的には当たり前のことですね。

子どもに、あれやりなさい、これやりなさいと言ってもあまりうまくいきません。

そりゃ子どもは弱い立場なので、力の論理でねじふせれば言うことをきくかもしれません。

これは優しく言っても同じです。

「あなたのためを思って言っているのよ。だから言うとおりにしなさい。」

これも私から言わせたらパワーコントロールです。

職場や学校、家庭でも用いられている外的コントロール心理学です。

これは外的コントロールを受けて、その通りに変容させてきた人ほど、つまりはある意味優等生ほど、他人に対しても外的コントロールを用いるそうです。

「私は他人によって変わってきた(変えられてきた)。だから他者も変わるはず。良くなるのも悪くなるのも私次第。だから私が一生懸命やってあの子を変えてあげないと。」

一生懸命だからこそ外的コントロールで人を変えようとするのかもしれません。

でも、選択理論心理学的には「他人」は変えられないのです。

変わったと見えるのは外見だけで、実は中身は変わっていないどころか、外的コントロールの主体者がいなくなれば、逆戻りするどころか、反動も大きいのは幼児教育に携わる者なら誰もが知っています。

でも出来ない。

外的コントロールで行動を変えさせられて、外的コントロールを用いるのが習慣化している人にとって、分かっていても出来ないのです。

私は、保育・教育の現場にこそ選択理論心理学が広まり、外的コントロールを用いることのない保育現場、職場づくりが大事なように思います。