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子どもたちはよく、木の棒で遊びます。
以前、心理学の先生が、
「子どものやんちゃ度と木の棒の長さは比例します。」
と笑いながら仰っていました。
経験上、あるある、です。
そうは言っても、子どもが木の枝を見つけると、「触らないで」「持たないで」「振り回さないで」と言いたくなる気持ちも分かります。
他の子に怪我をさせたらどうしよう。
顔や眼になんか当たって、一生残ってしまったら。
そう考えるのも頷けます。
でもね、こうも言えます。
子どもは木の棒を持ちたいのだと。
魅力的な棒、長い棒、いい木の枝だね、というのは持ちたくなるものです。
それが、子どものというか、人類の根源的な欲求ではないかとすら思います。
その魅力的な木の棒、カッコいい木の枝、持ちたくなるようなそんな木の枝を触ったり、持ってみたり、振り上げてみたりする欲求を止める権利があるのだろうかと。
近くに人がいるのに振り回すから危ないのであって、周りに誰もいなければいいんじゃない?
小さい子が木の枝を持って、地面にトントン、バンバン、とやるのはその反応を確かめてるのであって、大事な発達の過程でなくて?
まずは私たちは、子どもの行為を肯定的に捉えようとします。
これは子どもの本質的な欲求なのだと。
その上で、本当に危ないのなら、きちんと止めたり、注意してやるのが大人の役割です。
それをしようともせず、ただ傍観し、「子どもの主体性だから」と野放しにするのは、教育とは言えません。
「じゃあ分かった。子どもが木の枝を持つのは意味があるとして、こんなチャンバラやらせるなんて野蛮だ。止めさせた方がいい。」
そんな意見もあります。
もちろん私は好戦的な人間ではないので、出来れば人を傷つけるような闘いは好まない。
でもね、チャンバラって、ごっこなんですよ。
嘘っこ。
嘘っこじゃないとつまらない。
本気になって、相手を傷つけようとは思っていないのです。
歌舞伎ってご覧になったこと、あります?
あの立ち回りのスローモーション、相手を切りつけても、痛くない、それでいて、最大の演出効果を高める「たて(殺陣)」と呼ばれる演技は見る人を魅了します。
あれと同じなんです。
本物の刀で、本当に切ってしまったらごっこじゃなくなってしまう。
嘘っこの刀で、嘘っこにやられるからおもしろい。
それにも技術がある。
まるであたかも刀が自分の身体の一部かのように、正しく、正確にコントロールして、相手を傷つけず、最大限演出効果を高めるにはそれなりの訓練と技術が必要です。
かなり過大評価しているかもしれませんが、子どもたちのチャンバラ遊びというのは、歌舞伎の立ち回りに通じる、演技、ロールプレイングではないかとも思うのです。
もちろん、子どもたちにチャンバラ遊びを推奨してまでやらせる必要はないと思います。
それでも、子どもたちの中には木の棒を持ったらやりたがる子もいます。
そんな時には、「広い所でやって」「周りに人がいない所で」「他の子も、やっている子の近くには行かないんだよ」と伝えます。
それでも子どもは時に予想外の行動をすることがあります。
子どもも傷つけようと思っていない、相手に当たってしまうこともあるかもしれません。
その時の子どもの動作や遊び方をよく見極め、適時、注意したり、止められる技量も必要かもしれません。
その自信がないのなら止めさせた方がいいでしょう。
そのうち、子どもたちも経験を積み重ねると上手になります。
相手を傷つけず、「エイヤー」と楽しく出来る方法を身につけるようになります。
うちのスタッフが子どもたちと遊んでいる中で、おもしろい遊びを見つけました。
木の枝の先に葉っぱを刺して、その葉っぱを落とした方が勝ち、というゲームです。
そうするとどういうことが起きるか?
子どもたちは木の枝の先っちょに神経を集中させるのです。
葉っぱが落ちたら負けですからね。
木の枝を相手に向けようなんてならないんです。
お互いに木の枝の先っちょを当てて、相手の葉っぱを落とすことに集中するんです。
これはおもしろい遊びだなと思いました。
自分の身体感覚を広げ、細かく、正確にコントロールする術を身につける。
遊びの中で生まれた危なくなく、木の枝で遊べる遊びです。
他に広めようとか、いい遊びです、なんて言いません。
どこでも通用する遊びじゃありませんからね。
でもね、そんなスタッフ、自分たちを認め、肯定的に捉え、遊びを豊かに広げてくれる人のことを子どもは信頼すると思うんですね。
一般的にはやらせない方がいいと思います。木の枝を使って遊ぶなんてね。
なんかあったら大変だろうから。
でも、うちは子どもたちの欲求を適切に見極め、楽しく、安全に遊ばせる技術と経験がありますから、きちんと子どもたちに働きかけ、見守っていきたいと思います。
楽しいのには、理由があります。
※しなる棒、反発する木の枝などは注意が必要です。
子どもの予想外の動きをする木の枝は大きな怪我につながります。
しなる棒や引っ張り合いをしている時なんかは、注意したり、やめさせたりすることもあります。
反発する力は想像以上です。
遊びの中で、状況をよく見極める力も保育者には必要です。
何でも自由なのではなく、状況によって変わる、場面や遊び方の指導が保育者の専門性です。
小学生のためのアウトドアスクール
滝山ネイチャークラブ
taki-nature.com
