子どもを預かる仕事をしていて、安全な人とそうでない人には特徴があります。
経験者が必ずしも能力があるとは限らないけど、経験者とそうでない人の違いについて
・視野が違う
・動きが違う
・視点が豊富
・想定外に強い
・ゆとりがある
・エピソードで語る
まず、視野が違います。「木を見て、森を見る」とは以前は保育界ではよく言われていたと思うのですが、最近ではそれも継承されていないようです。
初心者は圧倒的に視野が狭い。
これは仕方がないことでもありますが、それを意識してトレーニングしている先生と全く意識していない、または「そんなことはする必要がない。出来ない。」と決めつけている先生は安全の質が格段に違います。
顔を上げる、周りを見渡すという動作を身に付いているかどうかで経験者かどうか見極める判断の一つです。
これに伴い、動きがまったく違います。
初心者は傍観的態度で突っ立っていたり、逆にどうしたらいいか分からずウロウロします。
経験者はさり気なく動き、子どもの危険を回避したり、安全に声掛けしたり、実によく動いています。
それが目立たない程、行動予想が的確なんです。
このまま放っておくと怪我するな。
あ、あの子の行動、外に出ていくかも。
なんて子どもの行動を予測し、あらかじめ先回りして先手を打つのです。
だから、事故や怪我が少ない。
また、多面的に保育を捉えているので、「安全」という視点、一つ取っても、熱中症、感染症、見失い、転倒、転落、様々な視点から安全を考えています。
「安全」という観点だけではなく、「子どもの意欲」や「教育効果」、「社会的な評価」や「理念発信・情報発信」など保育を多面的に捉えているから、隙がない。
そして何より、経験者はそのデータベースが豊富だから、想定外に強い。
あらゆる怪我を見てきたんです。
かなりの数のヒヤリを体験してきました。
その都度、自分で考えて、判断し、選択、決断してきたからこそ想定外に強いのです。
他の人から見たら想定外でも、経験者から見たら想定内ということでもあります。
だからゆとりもあり、他の職員を焦らせることがない。
ヒューマンエラーを引き起こす原因の一つが焦りです。
その焦る要因を作らないということも安全に大きく貢献します。
保育は常に現場で行われています。
毎日が新しく、子どもの十人十色。
その多様な子ども理解をマニュアルで理解するのではなく、エピソードで語れるというのも経験者の成せる業です。
誰でもいいわけがない。
誰でも出来る訳がない。
子どもを預ける、子どもを野外で教育するという高度で専門的な分野の実際の担当者のスキルを見極めていただき、安全な保育が広がることを期待しています。
人としての誠意や情熱、子どもに対する優しさや実行力などは大前提で、その上に保育技術と経験が伴っているかを精査していただき、経験と技術のある保育者を選んでいただけたらと思います。