子どもにとっての絵とは何か。「ただのモブ」が生むコミュニケーション

2022/9/19 のアウトドアスクール活動から.

「ただのモブ」が生むコミュニケーション

ジェネレーションギャップ、カルチャーショック色んな呼称は考えられますが、子どもと関わる中で私は予想もしていない多くの学びを得ています。

今日のアウトドアスクールは、釣りの日でした。幼稚園バスに小学生たちを乗せ、40分ほどかかる釣り堀へ向かいます。

バスの時間を、いつもとは一味違う時間にしようと、今日は絵を描けるように紙を持っていきました。

 

私が釣りをイメージしてもらおうと子ども達を待つ間に描いた「針と魚の口」です。  

 

子ども達の豊かな創造力によって大怪獣 落ち武魚(私が命名) へと変身を遂げました。笑

私も小学生くらいの頃は、こうやって何かと進化させてたな~と笑

何が面白いかって、みんなで一緒に進化させていくところです。
年齢も異なる子ども達が、直接会話をするわけでも無く、思い思いに何かを描き加えては大爆笑するのです。

このある種の絵大喜利を通して、子ども同士の距離感は一気に縮まっていったのです。

 

ちなみに上記の絵の裏側は、更に高度なやり取りが。笑

兄弟が代わる代わるふざけあい、たまにお互いをからかい合う絵です。

最初は「ただのモブ」だったものが、ただのモンブランになり、61歳になり、最後は 3000000000000000…歳のおじいさんということになります。

 

今このブログを書きながら、その時を思い出しニヤニヤしてしまうほどに面白いやりとりでした。「ただのモブ」が彼らによって爆笑を産み出す絵となった瞬間です。

 

そういえば以前、子どもの絵の発達過程について調べてみたことがありました。

「絵は、自分の体の軌跡が線として形として残ることの面白さを経験する段階から始まり、段々とものの捉え方を表現するものに変わってくる。」
端的に言えばそんな風に育つ絵と言うものから、子ども達の発達の面白さを感じていた私でしたが、今回は別の面白さ感じる機会となりました。

 

大人になってしばらく経ち、絵というものは、描いた人が観る人に対して何かを訴える一方的なコミュニケーション手段だとばかり思うようになっていましたが、

今回の絵は、子ども達にとって「ふざけあい、からかい合いながら相手と関わっていく」、紛れもない”双方向コミュニケーション”の手段だったのです。

 

近年、創造性を育む教育に取り組む流れが顕著になってきており、生徒同士がグループで一つのものを作り上げるような総合のような授業に力が入れられているような話を聞くことがあります。通常の授業においてもGIGAスクール構想のような考え方を踏まえ、アクティブラーニングなど対話型で双方向性の授業に注目が集まっていますが、例えば図工の時間にグループで絵を作るなんていうことはないような気がします。美術の授業で人の作品に手を加えるようなこともほとんどないのではないでしょうか。

そんな風に考えると、遊びの中で起こった今回の絵を描くということを通した双方コミュニケーションは面白い観点であるような気がします。

 

モブという言葉を学んだ一日の感想でした。

かい

 

プロフィール

山田 快
2019年1月から月1,2回のペースで活動に参加している保育補助スタッフです。
普段はメーカーに勤務しておりますが、心理学やコーチングについて関心を持ち、子どもと関わる中で人の成長や学習について理解を深めています。
人として対等に尊重し、感情を丁寧に汲み取るように心掛け、子供たちの創造力、主体性による伸び伸びとした活動、成長につなげられるよう働きかけるようにしています。
子供たちの持つ創造力、成長する力を間近で感じ、エネルギーをもらいながら、私も成長させてもらっています。
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