やりたいことと、やるべきこと

保育という営みはとても主体的な行為です。

言われたり、やらされて動くのではつまらない仕事です。

自分で考えて、環境に、子どもに、主体的に働きかけていくことが望まれます。

ですから、自分がこんな保育したいな、という思いはとても大事なのです。

やりたいことが分かるって大事なこと。

でも、保育はこれで終わらせてはいけません。

やるべきことは何か?

次はこれに意識を向けましょう。

保育者の行動基準

虫捕りをしたいな、がけ登りをしている子を見たいな、走って遊ぶのは苦手だけど、お花を摘んだりして遊ぶところを見たいな、目の前の子どもと向き合いながら、その他の子どもたちにも意識を向けるのです。

やるべきことは、目の前の子どもだけでなく、全体の子どもの把握、理解です。

「全員の子を見るなんて無理です。」

そう、目の前の子どもと同じように見るのは無理でも、意識を少しだけ他の子にも向けるのです。

割合で考える

目の前の子、8割、向こうで遊んでいる子、2割。といった具合です。

この割合が状況によって変わる。

その子が盛り上がっている場面では、9対1、もしくは10対0ということがあるかもしれません。

緊急時には、5対5ということもあるかもしれません。

意識は目の前の子どもだけではだめということです。

「向こうの子は向こうにいる先生が見てくれているので、考えなくていい。」

この考えは間違っています。

保育はチームで行います。

それぞれが単独行動するのではなく、チームとして機能するためには、個々人がつながっていないといけません。

向こうの先生の対応は向こうの先生に任せるとしても、無関心ではそもそもチームとして成り立ちません。

チームとして成り立っている質の高い保育園は、先生方がお互いを意識し、連携し合っています。

声を掛け合ったり、相手の顔を見て、アイコンタクトを取ったり、ジェスチャーでサインを送ります。

こうした連携のノウハウを持っています。

それが保育者の技術です。

質の高い保育とは、チームで行う連携の技術を持っているということです。

そのためには、一人一人の職員が全体をスキャンして、全体をトレースする能力も問われてくるのです。

プレイングマネージャーとは、そのような能力を持った職員がその役割を担います。

そんな質の高い保育を目指していきましょう。

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