「チームで行う」
保育は個人種目ではなく、団体種目。
チームワークが重要となってきます。
でも、チームで行うチーム保育と言っても、精神論で終わっていることが多いと思います。
チームで行うという戦略を戦術にまで落とし込む。
具体的に示していく必要があります。
1例「活動の終え方」
活動を終えるとき、プレイングマネージャーは各職員に「そろそろ時間です。」と伝えます。
各職員も逆算しておおむねの終了時間を把握しておく必要はありますが、子どもたちの遊びの盛り上がり、集団の状態、子どもたちの勢いなど加味して若干の前後があります。
プレイングマネージャーはこれを読み取る必要があります。
プレイングマネージャーから伝えられた職員は、目の前半径2mのグループ、子どもたちの集団の遊びの状態、子どもたちの心理状態を読み取ります。
もう遊びが終息しているのか、まだまだ遊びが盛り上がっているのか、それともだいぶ満足してきっかけがあれば終息していくのかの見極めです。
先生方はその状態に応じて声掛け、働きかけを変えます。
遊びが終息しているグループには、「もう帰ろうか。お茶飲んで帰る支度しよう。」となり、もう少しで終わりそうなグループには、「楽しかったね。じゃあ、後一回やったら終わりにしようか。」となります。
遊びが盛り上がっているグループには、少し待ってあげる、盛り上がりを見て終息させるという働きかけが必要です。
この時のチームの目標は、「すばやく子どもを集める」ということになりますが、職員一人一人の働きかけ、行為・行動はまったく異なるものになります。
共通の目標に対して、それぞれが異なるアプローチを行うということです。
これが、チームで行うということにつながります。
これを、同じアプローチで子どもに声をかけたとしたらどうなるでしょうか。
まだ遊びが盛り上がり切っていないのに、「ハイ、片づけて帰るよ」となったら、げんなりです。
それだけならまだしも、子どもは未消化のまま、中途半端で「まだ帰りたくない」とぐずり、泣いたり、嘆いたり、欲求不満から喧嘩や子ども自身のパニックなども想定できます。
「そんなこと言うならもう連れてこないよ。」
子どもが満足いくまで遊べたら、そんな子どもを脅すようなことも言う必要がありません。
「楽しかったね」
「また来ようね。」
大人も子どもも精神衛生上、健康で、ストレスなく、安全に行うためにも、この異なるアプローチ、戦術が必要になるというわけです。
チームで行うチーム保育
今後も、これを具体的に、現場で即使える戦術として明らかにしていきたいと思います。

