ファーストアプローチの重要性


子どもに限ったことでないかもしれませんが、事故や怪我といったものは、初動対応の遅れや間違いが後の重大さに大きく影響します。

ファーストアプローチの重要性

多くの人が事故が起きてから動き出します。

「危ない!」「落ちた!」

子どもと関わる専門家は、事故が起きてから動き出したのでは遅すぎます。

事故が起きる前に動きましょう。

では、どうやったら事故が起きる前に動けるのか。

それは、

観察と予測

子どもの動きを観察し、予測できる事故や怪我を未然に防ぐアプローチが必要です。

それこそが、

ファーストアプローチ

子どもに関わる初動対応の重要性です。

それには、子どもの行動をよく観察することです。

危険な行為、危ない場面、事故や怪我が起きないか、子どもをよく観察しましょう。

みんなこう言います。

「ちゃんと見ています。」

その距離で子どもの行為を止められますか?

5m離れていたら遠すぎます。

子どもは何をするか予測不可能です。

静かにしゃがみ込んで掴んでいる虫は危険な虫ではありませんか?

静かにしゃがみ込んで、噛まれて叫んで、泣いている声を聞いて始めて気が付いたのでは遅すぎます。

子どもの目線の先を見ていれば、掴もうとする手前で止められるかもしれません。

まずは子どもを観察する距離を見直しましょう。

半径2mの子どもじゃないと危険な行為は止められないと理解しましょう。

その次に、子どもが見ている物を見るようにしましょう。

子どもは大人と違って、何に興味を持っているか分かりません。

子どもが見ている物を見る

子どもが見ている物を見ることは安全管理にもつながりますが、私たちは監視員ではありません。

子どもが見ている物を見ることは、子どもの興味関心を探ることにつながります。

私たちは子どもの安全を守ると同時に子どもの心理を理解する共感者でありたいものです。

事故や怪我を防ぐ機会を逃さない

実は、事故や怪我を防ぐ機会は何回かあるはずなんです。

子どもが事故や怪我にあう直接的タイミングとして、その行為の直前、その現場に向かうタイミング、その行為・遊びに興味を示し始めたタイミングなど、事故や怪我を防ぐ手立てを取ることが出来るタイミングを逃さないということです。

そして、もっとも最初に事故や怪我の危険を知らせるセーフティートークを全体に、そして個別に入れるということです。

このファーストアプローチが成功していれば、事故や怪我のリスクは格段に減らすことが出来ます。

そして、そもそも論にもなりますが、その活動、計画に無理はなかっただろうか、活動場所の選定は適切だったと言えるかどうか、計画案そのものを見直すことも必要です。

対象に合った活動

これらを組み合わせ、安全にデザインされた活動というのは、総じて楽しいものです。

それは、子どもの満足、欲求を考慮しない活動というのは子どもは楽しさを求め、こちらの想定外の行動を取り、規定の行動範囲を逸脱するものだからです。

子どもは楽しければ、他に行ってしまうということはありません。

どこか規制の範囲を超えて行ってしまうのは、そこで満足していないからです。

だから子どもの安全を考えた時に、子どもが楽しいかどうかを考慮するというのはとても大事な要素です。

このことを理解している保育者とそうでない保育者では、子どもの満足と安全の質が違います。

子どもを力で制圧し、大人に従わせる安全は子どものとってはつまらないものです。

その場では安全であるかのように見えて、子どもの健全な成長を阻害し、子ども自身の危険回避能力や危険予知能力を育てることにはなりません。

私たちは、子ども自身に遊びを通した体験学習を行うことで、子ども自身が満足し、子ども自身が自ら学び、考え、工夫していく質の高い教育こそが、実はもっとも安全な活動であることを理解しています。

ファーストアプローチの重要性を理解し、適切に子どもに働きかけていくことで、安全は作られます。

子どもを見ることの専門性を高め、安全な保育に努めていきましょう。

 

 

 


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