対立を恐れずに人と関わる経験を

子どもたちに人と関わる経験をさせることが大事だと思います。

そうは言うけれど、人と関わるということは必ずしも美談ばかりではなく、むしろ対立の連続ではないでしょうか。

考えや境遇も違う人間が2人集まったら、そこにはすでに意見の対立があります。

その違いの先に私たちの目指す平和な社会があるのです。

対立を避けて平和な社会はあり得ないのです。

 

自分の思いを伝える言葉と

相手の思いを知る思いやり

 

だから僕たちを言葉を獲得し、言葉を操り、自分の思いを相手に伝えようと、相手に分かってもらおうと努力し、苦労し、悩むのです。

だからこそ相手の気持ちに思いをはせ、理解したいと願い、相手を愛するのです。

自分への愛と、相手への愛が必要なのだと思います。

だからこそ、喧嘩や対立の機会を大人が奪ってはいけないのだと思います。

「あなたのためなのよ」と喧嘩を遠ざけ、対立しないようにするのは子どもが成長する機会を奪うことになるのです。

もちろん、喧嘩をして怪我をさせたり、傷つけていいとは思いません。

もしかしたら、傷つけたりするかもしれないリスクを負いながら、私たちは勇気を持って子どもたちに「人と関わる経験」をさせないといけません。

それはスマートにはいかないことが多いのです。

私たちだってそうだったのではないでしょうか。

友達や恋愛など、モヤモヤしたり、誤解やすれ違いといった苦い経験を通して人間として大きくなってきたのではないでしょうか。

答えを示すことが正しいとは限りません。

でも、少なくとも側にいる私たちが子どもたちを心から信頼し、子どもたちとの信頼関係を構築し、それらをベースに子どもたちに人と関わる経験を積み重ねていって欲しいと思います。

リスカーレ(勇気を持って試みる)

教育とは挑戦です。勇気を持って試みる営みです。

私たちはケガを恐れず勇気を持って試みます。

誤解を生じる恐れがあるからと、発信しない、挑戦しないのではなく、子どもの喧嘩や対立をどう捉えるのか、勇気を持って発信していく、挑戦する自分でもありたいと思います。

この日のエピソードはこちら

平成29年3月12日、父母講座午後の部

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

物を見る力

今日は早く来た子が教室のホワイトボードでお絵描きをしていました。

保護者の方にこんな話をしました。

もう20年以上前、横浜の金井幼稚園にお伺いしたとき、園長先生から聞いた話です。そこは表現に力を入れている幼稚園で、玄関を入るとそこには園長先生が描いた大きな絵が飾ってありました。

園庭には絵の具が用意してあって、「幼稚園に入って年少さんからここで自由にぬたくりをするんですよ」と絵の具はブロックや絵本と同じ、子どもにとっては欠かせない同等なもの、と話しくださいました。

その園長先生が、子どもの絵を見るときに、こんな視点で見てくださいというようなことを教えてくださいました。

ここがよし

こ こだわりがある

こ 個性的

が 画面いっぱい

よ 喜びにあふれている

し 視点がいい

金井幼稚園木都老園長先生

とかく大人は、上手に描けているか、既成概念の枠の中で評価しがちです。でもそこの園には、子どもの表現をそのまま受け止めようという考えがそこかしこにちりばめられていました。

実は滝山ネイチャークラブの森のようちえんではこの視点、物の見方や捉え方を伝えたいと思っているのです。物事(人や自然)は多面的であるということ。一面だけでは物事の本質を見誤ることがあるということを、指導や説教ではなく、体験を通して体で感じ、実感として獲得してもらいたいと思うのです。

自由で楽しい遊びを通して、しゃがんだりひっくり返したりして夢中になって虫や花を探し、自然の不思議さに気づきます。

男の子や女の子、多くのスタッフや地域に人との出会いの中から人の多様性に触れる。そんな多様な関わりの中から関わる力を身に付けていって欲しいと思います。

平成29年3月5日、父母講座午前の部

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

 

 

 

 

「やらなければいけないこと」と「やりたいこと」

「やらなければいけないこと」と「やりたいこと」

滝山ネイチャークラブの森のようちえんでも当然、「やらなければいけないこと」というのはあったりするのですが、それよりも大事にしていることがあります。

それは、「やりたいこと」なんです。

子どもたちにはこの、「やりたいこと」に取り組む姿勢と態度、そして行動を習慣化するまで、徹底して身に付けさせたいと思っています。

それは、「やらなければいけないこと」しかやってこなった人にいきなり急に、「やりたいことをやっていいんだよ」と言ってもなかなか出来ないように、まずは「やりたいことをやってもいいんだ」という信頼感と安心感に基づいた感覚を身に付けること、その上で「やりたいこと」に取り組む行動力を身に付けないといけません。

当然、滝山ネイチャークラブの森のようちえんは好き勝手、やりたい放題ではありません。比較的食事のマナーと公共のルールは教えているつもりです。と言っても、「座って食べようね」とか「口に入れすぎないよ」、公共の場所で「他の人が通るから端っこに寄ろうね」と言うくらいですが・・。

「自由」も「秩序」も必要ですが、その根っことなるのは「安心」と「信頼感」です。

今日は運動会。珍しく綱引きをしました。

私たちは信頼感を基に子どもたちの自由を保障し、社会のルールを伝えます。

信頼感のない自由は危険です。

信頼感のない規制は情緒を不安定にさせます。

私たちは、安全で安心の活動を通して、子どもたちが主体的で自ら創造する力を育てます。

平成29年2月26日、父母講座午後の部

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

 

 

 

 

関わり方

滝山ネイチャークラブの森のようちえんは、人や自然と関わる中で(遊びを通して)、関わり方(距離感)を学ぶ体験にして欲しいのです。

獲得して欲しいのは人や物、自然との関わり方。

当然、苦手な人もいよう。

嫌いな虫を好きになって触れということではなく、どのように付き合っていくのか、その付き合い方の練習をしてほしいのだと思います。

だとしたらそのパターンは多様な方がいい。偏った特定の練習ではそれ以外の事態が来た時に焦り、判断を誤る。

たくさんのパターンを経験し、自分で判断し、どう働きかけていけばいいのか、どう関わったらいいのか自分で決断する訓練が必要です。

それが幼児の場合は特に、厳しく辛い練習では効果がありません。

楽しく、自ら取り組む、遊びを通して獲得させないとほとんど意味がないと言ってもいいほどです。

だから、私たちは、遊びを通して人や自然との関わり方を練習させるのです。

楽しいことは重要ですが、楽しい遊びそのものが目的ではなく、楽しい遊びを通して獲得して欲しいものがあるのです。

人生は練習の連続です。

人と関わるということも生涯練習かもしれません。

多感で人生の基礎となるこの幼児期において、愛されている実感と信頼関係によって自由に遊び出せる楽しい環境が必要です。

そこにはたくさんの学びがあります。

失敗したと思えるような経験も含めて、人生においては良き学びです。

私たちは森のようちえんで、そのような経験をして欲しいと願っています。

ぜひ子どもたちに人や自然と関わる練習の機会を与えてあげてください。

練習すれば必ず上達します。

上達するように適切に働きかけていきます。発達に応じた個別化の対応が私たちの専門性です。

今日も子どもたちを山に連れ出して、関わる練習をたっぷりしてきたいと思います。

「行ってきます」

平成29年2月26日、父母講座午前の部より

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

 

 

主体的な子どもに

日本全国の幼稚園、保育園は、主体的な子どもを育てようと日々、教育・保育しています。幼稚園教育要領にも「幼児の主体的な活動を促し、(中略)幼児一人一人の特性に応じ、(中略)遊びを通しての指導を中心として(中略)ねらいが総合的に達成されること」とあります。これは、幼児の主体的な活動(遊び)と遊びを通した教育の重要性を訴えるものでもあります。
しかしながら、これが実に大変なんです。主体的な活動(遊び)を保障しようと思ったら子どもは自由でなくてはなりません。禁止・規制・制限の多い活動を遊びとは言いません。滝山ネイチャークラブの森のようちえんは、ほとんど「だめ」という言葉を使いません。子どもたちは自由です。自由でないと主体的な子どもには育たないからです。じゃあ何でも好き放題かと言えばそうではありません。子ども一人一人の発達や個性に応じて働きかけていきます。自由でほったらかしだと事故と怪我が絶えません。自由な遊びを保障しながら、一人一人の発達と個性を理解して、適切に働きかけていくことが保育の専門性です。質の高い教育です。一律に「だめ」と言って禁止するのは力不足です。

2017年2月19日、森のようちえんの様子から

「主体的な子どもに」
おそらく日本全国の幼稚園・保育園がそのことに否定しないでしょう。親は「主体的な子ども」に育てるためにどんな保育・教育をしているか、どう働きかけているかに注目しましょう。「主体的な子ども」に育てるためにどれだけ自由な環境を用意しているか。どれだけ子どもの自由を保障しているか。どれだけ個別の対応をしているか。
滝山ネイチャークラブの森のようちえんも保護者の期待に応え、豊かな人間性と創造性を備えた子どもたちを育成していくよう精進してまいります。

滝山ネイチャークラブ
代表 堀岡正昭

環境に働きかけていく力

2月5日(日)、父母講座午後の部

環境に働きかける力

子どもたちを森に引率して感じること

環境(人や周りの自然など)が何かしてくれるのを待つだけではなくて、自分から環境に働きかけていく力をつけなければいけないと思います。
自然の中に連れ出しても自分から主体的に環境に働きかけていかないと何も始まりません。特に滝山ネイチャークラブの森のようちえんは「これこれしなさい」なんて言わないもんだから、指示されて動くことなんてほとんどありません。もちろん自分からやりたくなるような環境を用意したり、時に誘ったり促したりもするのだけれど、それは「やりたくなるような」内発的な動機付けを引き出すため。どんなにすばらしい環境やプログラムであったとしても、誰かにやらされるよりは自分から取り組んだ方がはるかに学習効果は高い。

ではその「自ら主体的に環境に働きかけていく力」はどうやって養ったらいいのでしょう。実は子どもはこういった力を備えています。それは「遊び」はそもそも「自ら主体的に環境に働きかけていく」行為なのです。だとしたら私たちは、その遊びの機会を保障することです。奪わないことです。

環境に働きかけていく行為(遊び)を繰り返し体験することで身に付けて欲しいのです。そうして主体的な態度と具体的な行動習慣を身に付けていって欲しいと思います。

人生も然りです。
誰かが幸せにしてくれるんじゃない。自分で困難に挑戦して、がんばって努力して、幸せになるんだと思うのです。

自ら人生という環境に力強く働きかけ、幸せと成長をつかみ取る人生でありたいものです。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

話を聞く子

いつもお付き合いいただきありがとうございます。

今日の父母講座、午前の部のテーマは「話が聞ける子」でした。

八王子は保幼小連携の先駆けを行く自治体でもあります。先日も小学校の校長先生たちとの会議で、「幼稚園・保育園で『話が聞ける子』にしつけてきてください。」という校長先生のお話がありました。私たちはこの「話が聞ける子」の中身を問題にしなくてはなりません。「大人の言いなりになって、黙って45分間座って話を聞く子」だとしたら、私たちは、「教育の目的は人格の完成を目指すこと」だと主張しなくてはいけません。

何故、話を聞くのか。その人の話を聞きたいから、話を聞く必要を感じるからです。

子どもたちは魅力ある人の話、おもしろい話、ためになる話は静かに集中して聞きます。だから現場の保育者は子どもたちが聞きたくなる話、聞く必要がある話を幼児の発達特性を理解して話します。
そんな保育者の話は本当に聞いています。

また、「先生の話はおもしろい」「先生のところに集まるといつも大事なお話をしてくれる」経験を重ねた子どもたちは、先生の側に集まる意味を理解しています。

そんな集まる意味を理解して、先生の話に興味を持って聞いてくれる子どもたちであって欲しいと願っています。またそうであるように話し方に工夫していく自分たちでありたいと思い、精進していきたいと思います。

ぜひ保護者の皆様には、「話が聞ける子」と言われたときの中身についてチェックして、自分たちの子どもたちがどんな教育を受けて、そしてどこに向かっていくのか見極めていただくよう、切にお願いいたします。

教育は平和で民主的な社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な子どもの育成を行うべきものです。
子どもたちには知的探求心をフルに発揮して、知的欲求にどん欲に授業に取り組む「話を聞く子」に育てていきたいと思います。

平成29年2月5日

滝山ネイチャークラブ代表堀岡正昭