保育環境を考える

景観のいい場所、映える場所に連れていけばいい訳ではない。

子どもをどこに連れていこうと悩むけど、あそこにも連れていきたい、ここにも連れていってやりたいと思うのも分かります。

親ならそれでも良いんです。

何を経験したかということより、どこに連れていってやったかということが大事だから。

実はこれ、少し言うと、親の自己満足でもあるんです。

休みの日に、子どもをちゃんとどこかに連れていってやったと。

これを否定するだけではなく、親にとって自己満足というのはとても重要で、こうした体験を経て、親は親になっていくという面が少なからずあるからです。

でもこれが専門性を持った保育者となるとまた別です。

「園長先生、今度の遠足、新しく出来た〇〇公園に行きましょう。」

そうすると園長先生からこんな相談を受けます。

「堀岡先生、先生たちがまたそんなことを言ってくるのよ。」

そんな先生たちの気持ちも分からなくもありません。

「だって、〇〇山はいつも行っている所だから、たまには違う所に連れていきましょうよ。」

園長先生と2人で、(保育園は毎日来てる所なのにね。)

場所が保育してくれるわけではないのです。

保育は、保育者が行うのです。

保育園という毎日同じ場所であっても、先生たちが工夫して、環境を設定し、そこで体験する子どもたちの保育内容を計画し、様々に、適切に働きかけていくから子どもたちが成長するのです。

その保育環境として、より自然を感じられる、子どもたちにとって魅力的な、変化と刺激にあふれた環境を設定して、そこで行われる活動(遊び)を先生方が子どもたちの様子をくみ取り、適切に働きかけていくのです。

だから、人気の場所だからとか、新しく出来たからとか、ましてや子どもたちが行きたいというからという理由で、なんとか遊園地とか〇〇ランドなんかに連れていく必要がないのです。

いつも、毎日通っているその園舎、そのお部屋、その保育園で行われる活動、遊びがもっとも子どもたちを育てるのです。

〇〇ランドより、保育園の方がよっぽどおもしろい!楽しい!そうじゃなきゃ私たち保育者、いる意味がない!

そしてもう一つ、〇〇ランドが保育環境として適さない最大の理由があります。

それは、管理されすぎているからです。

〇〇ランドで事故や怪我があっては困るのです。

万が一にも事故の可能性があったら機械を止めるべきです。

こちらが想定した乗り方で、ルールを守って、みな同じ体験をしてもらうのです。

これが保育にはうまく当てはまらない。

もちろん、命の危険があってはならないけど、子どもの世界、保育というのは、偶然と予想外のおもしろさがあっていい。

こちらが想定しない(そんな遊びがあったんだ!)という発見の連続だし、砂場遊び一つとっても、うまく行くか行かないか、やってみないと分からない。

そんな想定外がおもしろい。

それを、管理しすぎて、「これはだめです。」「こういう遊び方をしてください。」と規制が多く、柔軟性のない保育園はつまらない。

管理が厳しすぎると子どもは委縮し、結果保育園に行きたくない、つまらない、となる。

本末転倒です。

本来は子どものための保育園が、管理する側にとって都合がいい園になってはいけないのです。

だから子どもたちを園外に連れ出す際にも、あまり管理されすぎていない場所というのもフィールド選びのちょっとしたポイントです。

全く管理されていない危険だらけでは危ないし、適度に人が入り、地域の方の目が行き届き、いい意味で見守ってもらえているフィールド。

でも、石や木の実を拾ったり、木の枝を持ったり、走ったり、登ったりが自由に出来る環境がいい。

そう思うと、〇〇ランドは、保育園の保育環境としては、実は合わないということに気が付くのです。

だから、環境選び、フィールド選定というのは、とても重要なのです。

安直に大人が行きたい場所に連れていってはいけないのです。

そこは子どもが遊べる場所ですか。

そこは子どもが育つ場所ですか。

そこは保育者の専門性が生かされる場所ですか。

そんな場所が、保育環境です。