1.安全の理由

3.11の時は、保育園のお別れ遠足でした。

2011年3月11日、保育園の年長さんは昭和記念公園にお別れ遠足に出かけました。

一日たっぷりと遊んで、園バスに乗って帰ろうかとなったんだけど、その日は予定より少し遅れたんです。

でもなぜかその日は、信号のつなぎもスムーズで、結局予定より早く園に着きました。

子どもたちは少し休んで、先生方も順番で休憩に行きましょう、と話していた矢先、揺れを感じました。

いつもとは違う、大きな揺れです。

先生方は子どもたちの安全確保に駆け出し、自分も園庭に出て全体の把握に努めました。

お迎えに見えていたおばあさんに、

「〇〇くんのおばあちゃん、しゃがんで身を守りましょう。」と声を掛けました。

屋上のアルミの手すりが尋常じゃないほど揺れて、「ガッシャンガッシャン」と激しい音を立てています。

やがて揺れは納まり、子どもたちは放送と先生方の誘導に従って、園庭に避難してきました。

たまたま数日前だったと思います。

同じようなシチュエーションで、引き渡し訓練をしていたおかげで、ほとんど混乱やトラブルもなく、お迎えに見えた保護者にどんどん引き渡していきました。

夕方になって寒さを感じてきましたが、園舎の安全が保障できないとの判断で、園長先生から、

「ほりおか先生!園バスを出してもらって、残った子どもたちが寒くないようにバスの中に避難させましょう。」

と指示がありました。

子どもたちは毎月の災害避難訓練と、先日の引き渡し訓練のおかげもあって、泣く子や体調を崩す子もなく、無事全員引き渡しが完了しました。

最良なコンディションなら良いんです。

でも、保育というのは雨でも、風でも、災害時にでも無事に子どもたちを安全に引き渡すのが役目です。

私たちは、長年の経験から、雨でも風でも子どもたちと安全に野外で活動するノウハウがあります。

また、災害時でも子どもたちの健康を守り、心のケアとさびしい思いをさせないスキルがあります。

だから、安全には理由があるのです。