子どもが「やりたくない」と言ったら‥

子どもが「やりたいくない」と言ってきたら、

「やりたくないんだね。じゃあ、やらなくてもいいよ。」と答える。

これは本当に子どものことを受け止めていると言えるのでしょうか。

やりたくなくてもやらなきゃいけないことがある。

やりたくないものを無理やりやらせろと言っているのではありません。そこは上手に促したり、誘ったりするのが保育者というものです。

やりたくないと言っているからやらせない、という働きかけよりも、「やりたい」と言っていることが出来る環境を用意してやることの方を優先させたい。

やりたくないことに誘うにしても重要なことがあるのです。それが子どもとの信頼関係です。愛を基軸とした信頼関係です。それがないことには何も始まりません。

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だから僕たちは子どもたちとの信頼関係を築くことから始めます。その上で子どもたちの興味・関心に応じて働きかけていくのです。子どもたちの「やりたい」という意欲を引き出すために。これは対象に応じて、ひとりひとりの子どもに応じて様々な対応が求められます。マニュアル通りにはいきません。だから経験が必要なのです。たくさんの経験からデータを蓄積し、ひとりひとり、目の前の対象と瞬時に比較検討し、働きかけを選定していくのです。これはトライアンドエラー。また次の対応にフィードバックしていくことでクオリティーを上げていけばいいのです。

子どもがもし、「やりたくない」と言ったら、何故やりたくないのか彼の心持ちに思いを馳せることこそが、彼らを受け止め、心持ちに共感していることになるのではないでしょうか。彼らの本意が分からなければ、また、彼ら自身にも考える経験をして欲しいなら、聞いてみましょう。「どうしてやりたくないの?」その質問が、彼らの脳内に自己内対話の機会を与えます。「どうしてやりたくないんだろう?」「何でかな?」それこそが「考える」という作業だと思います。

考える脳は放っておいても育ちません。「考えなさい」と言っても何を考えるのか、どう考えるのか分からなければ、考える脳は育ちません。彼ら自身の脳に、「何で?」「どうして?」と問うことで考えるということを習慣化させましょう。

「やりたくない」というありのままの、そのままではいけません。人は成長を欲します。「やりたくない」という現在の自分から、高く、成長したいという次元に高めていく支援を、彼らに寄り添うことが大事なのです。そこには似非受容ではだめです。説教でも、指導でもだめです。彼ら自身が考え、気づき、成長してくれないことには叶わないのです。人を支援するというのは本来、高度な技術を要するのです。保育者とはそんな子どもたちの発達や行動特性を理解し、適切に援助する専門性を持たなくてはなりません。そうした専門性に自信を持って彼らと日々、成長のドラマを積み重ねていくやりがいのある職業なのです。

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