子どもの問題行動について

「先生、うちの子、ちゃんと先生の言うこと聞いていますか?」

幼稚園、保育園でよく聞かれる、親ならやっぱり気になる、園での様子。

滝山ネイチャークラブの森のようちえんでは、少し的外れかもしれませんが、こう答えます。

「うちは、そもそも子どもたちに言うことを聞かせようとは思っていないので、そんな心配はいりませんよ。」

その子が普段、幼稚園や保育園でどんな様子か、概ね検討はついています。

もしかしたら園で先生の手を焼いているやんちゃ小僧さんかもしれません。

でもね、そんな園の先生たちもその子を自然の中に連れ出せば良いのに、と思います。

私たちは、子どもたちを怒ることがほとんどありません。

(これは自分たちのことを「どうだ、すごいでしょ」と言っているのではありません。)

本当に怒ることがないのです。

自然の中に連れ出すと子どもたちの問題行動が極端に減ります。

と、言うよりも、実は子どもたちの問題行動を作っているのは、子どもたちを取り巻く教育(保育)環境であることが多いのです。

狭い空間に閉じ込めて、やりたい魅力的な環境に乏しく、「あれしなさい」「これをしてはいけない」指示や禁止、制限や命令が多ければ、子どもも荒れるというものです。

大きな声を出して気持ちを訴える。体力を持てあますから室内を走り回る。ストレスが重なり、無用なトラブルや喧嘩が続発。そして問題行動をするものだから先生も声が大きくなり、子どもを怒ることが多くなる。

悪循環です。

私たちは、この逆をやっているだけなんです。

広い空間にいざない、魅力的な自然環境に触れる。指示や命令、禁止や制限を極力減らし、子どもたちの欲求を適切に満たすことを考える。

子どもは楽しい、大人も精神衛生上健康でいられる。

でもね、「子どもを自然の中に連れ出すって危なくないですか?」

もちろん危ないに決まっています。

子どもの主体性という名のもと、放ったらかしにしておいたら事故と怪我がつきません。

ではどうやって子どもを見ていく?

それが、「発達に応じて個別に援助する」専門性の成せる業です。

ソトアソビスクールでは毎月スタッフトレーニングとして、また研修生、ボランティアの知識・技術・意識向上を目指し、ソトアソビセミナーを開催しています。

どうぞ安心して預けて下さい。迷惑なことなんて一つもありません。

子どもたちはここで安心して自分を発揮し、深い学びの機会を体験しています。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

子どもの情緒を安定させるには

今から20年ほど前、私が学童保育の指導員をしていた頃、新1年生になった子どもたちが学校から帰ってきてすぐに始めた遊びは何だったか、分かりますか。

実は、ブロックや粘土といった遊びでした。

今と同じように、子どもたちが自由に選んで遊びだせる室内環境を用意していたので、子どもたちは思い思いに遊びだして良かったのですが、やんちゃな子でも粘土に向かって黙々とやっていたのを思い出します。

子どもたちは自ら心を落ち着かせていたのではないでしょうか。

それまでの環境と変わり、勉強も始まり、緊張もしていたことでしょう。

その心を落ち着かせるために子どもたちの粘土遊びを大事にしようと思いました。

そんな彼らも狭い教室にみんな集まってくるとなかなかにぎやかになってきます。

踏んだ触ったというトラブルも見られるようになりました。

そこの学童は、野外に連れ出してもいいという方針だったので、私は今と同じように、子どもたちを山や川に連れ出すことにしました。

すると子どもたちの様子に変化が見られるようになりました。

無用ないさかいやトラブルが減って、子どもたちが伸び伸びと過ごすようになってきたのです。

もちろん、喧嘩は0にはなりません。対立や喧嘩は悪いことではなく、学びにつながります。

しかし、彼らを野外に連れ出していく中で、彼らの情緒に変化が見られるようになったと感じられたのです。

何より、私の精神衛生上、「子どもを怒らなくて済む」というのは画期的ともいえることでした。

こうした実践を繰り返す中で、私は一つの持論にたどり着きました。

それは、

「子どもの情緒の安定とフィールドの広さは比例する」

というものです。

もちろん、情緒の安定にはフィールドの広さだけではないのですが、こう考えました。

(子どもの情緒を不安定にさせようと思ったら、狭い空間に閉じ込めて、私が「あれしなさい」「これしなさい」と指示命令し、「あれしちゃだめ」「これしちゃだめ」と禁止制限すれば、子どもは容易に不安定になる)

だとしたら、我々はこの逆をやればいい。

子どもを開放的な空間にいざない、自由に遊ばせる。

もちろん自然の中は危険なことも多いので(当時から犬目山や滝山城址、夏は秋川で毎日のように川遊びに連れて行っていましたから)気を付けないといけないことも多いのですが、それは知識・技術の問題。こちらがスキルを高めればいいこと。

まずは、子どもを自然で遊ばせる、と決めたのです。

では、野外に連れて行けば何でもいいのか、という点についてはまた後日、お話しします。

2017年10月1日父母講座から

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

考える子どもを育てるには

考える子どもを育てるには?

その前に、「先生、何して遊んだらいい?」と聞いてきて、大人の言いなりになる子に育てようと思ったら、「ああしなさい、こうしなさい」と色々指示してやらせるといい。

そうではなく、私たちは「考える子ども」を育てたいので、子どもに指示したりする量が少なくなります。

山に子どもを連れて行っても「あれしなさい」「これしなさい」と指示することはほとんどないのです。

「木の根っこがあるから危ないよ」ともあまり言いません。

視覚情報を初め、五感で感じる感覚を研ぎ澄まし、何が危ないか感覚から感じ取って欲しいから「木の根っこがあること」「木の根っこにつまづいて危ないこと」などと言う情報提供はしないことが多いのです。

「ほら転ぶよ」という実況中継もしません。

今、全神経を張り巡らせて五感で感じ、脳で思考し、判断しながら行動しているのに、余計な言葉は判断と思考を鈍らせます。

子どもたちにかける言葉の量が少なくなるのはこうした理由です。

じゃあ何でも話しかけるのは悪いのか。そうではありません。

その質が問われてくるのです。

私たちは子どもたちの声に耳を傾け、いろんなことをお話しします。

「子どもと話したい」ということもありますが、そうしないと子どもと信頼関係は築けないからです。

また、野外では子どもたち(人間と言ってもいいでしょう)には知らせないと分からないことがあります。危険な動植物の情報です。

残念ながら私たち人間の本能に任せていては危険な動植物は避けられません。

進化の過程で他の動物なら知り得ている危険を察知する能力は引き継がれなかったのかもしれません。

今日もスズメバチがお食事中の場面に遭遇しました。

どこにいるか、なぜ危険なのかは子どもたちには分かりません。

危険を回避し、子どもたちの身を守るために私たちは、指示します。

行動を禁止し、制限します。

「あそこにいるよ。あっちにはいかないよ。」

「ほりさんたちと一緒に通るよ。」「静かにそっと通るよ。」

その時に必要な指示を的確に与えられないと子どもの安全は守れません。

その時に安全に行動させないといけません。

つまりは、子どもたちに伝える情報、言葉がけ、働きかけの質が問われるのです。

 

考える子どもに育てるには、考えることを習慣化させましょう。

考えることを習慣化させるには、考えているときにそれを阻害しないよう、考えるということを保証しましょう。(つまりは余計なことは言わない、しないということ)

その上で、子どもを安全に野外で体験させるには、適切に働き掛けないといけないということです。

言葉がけの量を減らし、質を高めます。

大変難しいことではありますが、そのことをみなさんにもお伝えし、子どもの安全を高め、教育的効果を高めるソトアソビを広めなければならないと思います。

それは考える子どもを育てるためです。

滝山ネイチャークラブ

ソトアソビスクール

代表 堀岡正昭

子育ての3K

子育ての3Kについてご紹介します。

以前、聞いたお話ですが、子育てには3Kが必要だということです。

1.根気

子育てというのは時間のかかるものです。1回言ってだめなら2度言って、2度言ってだめなら3度言って。3度言ってだめならやり方を変えて。根気よくやっていきましょう。

2.のん気

あせっても仕方がない。あせらず、そのうちうまくいくさ、ぐらいに構えていい。のん気も必要です。

3.元気

子育ては長期戦です。この長期戦を乗り切っていくには親も元気じゃないといけません。体を大事に、心健やかに、元気で子育てしていきましょう。

 

子どもが成人するまで20年。今から数えても15,6年ぐらいは子育てに奮闘しなければなりません。子どもたちの幸せな人生を思い描き、そのための戦略を立てましょう。そして中期的な目標に落とし込んで、幼児期に何を経験させた方がいいか考えましょう。

そうすると自ずと心と体、学ぶ意欲、人と関わる力などを育てなければならないのは明白です。

それらの基礎となるのが大切な人との信頼関係だと思います。

大人も元気に、のん気で、そして根気よく子育てを楽しんでいきましょう。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡正昭

考える脳を育てるには

子どもには、「自分で考え、行動する人」になって欲しいと願います。

考える脳を育てるには、脳に考えることをさせなくてはなりません。

ところが、私たち大人が子どもに指示を出しすぎて考える暇も与えなかったとしたら、子どもは考える練習が出来ません。

だから私たちは、子どもが考えているときに余計なことをなるべく言わないようにします。

「あれしなさい。これしなさい。」と言えば言うほど、子どもは考えなくなります。

もちろんいろんなことを言いもするのですが、要は、子どもが考えていることを妨げないようにしたいと思うのです。

そうは言っても我が子のこととなるとなかなか難しいというのは、分かっているつもりなのですが‥。

考える脳を育てるためには、親も我慢が必要です。

平成29年5月14日父母講座

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

子どもが、生き物を「飼いたい!」と言ったら‥

「どうせ世話しないから‥」

そう、どうせ世話しないかもしれません。

その面倒、見ることになるのは親かもしれません。

それでも、子どもが「自分で面倒見る、ちゃんとお世話をする!」って言ったら、我々も、それを信じてやりましょう。

「何回そう言って裏切られてきたことか‥」

そうかもしれません。「ちゃんとやる」と言っても、また裏切られるかもしれません。

それでも、子どもが今「ちゃんとやる」って言ったら、それを信じてやるのが大人の、親の役割かもしれません。

こちらも大人だから容易に想像できるんです。(もしかしたらまただめかな‥)って。

だけどその度に、子どもと向き合い、子どもが「ちゃんとやる」って言ったら、その時、今、そう思って、そうやろうとしていることを信じてやるんです。

そして出来なかったときに、「ほらごらんなさい。言ったとおりに出来なかったでしょう」なんて言ってはいけません。

出来なかったことは本人が一番分かっています。

「そんな甘いことじゃ子どもはちゃんと育ちません。」

じゃあ厳しくすれば子どもはちゃんと育つんですか。

それは、大人の言いなりになって、自分の意志とは無関係に、言われたことだけこなすようになるということです。

私たちは、そんな子どもを育てようとは思っていません。

そりゃあ親の言うことを聞いてくれたほうが助かります。

だからと言って親の言いなり、大人の顔色をうかがってばかりの子どもを育てようなんて思っていません。

子育ては大変。

でもその大変さの先にある、すばらしき人生と喜びを知っている。

だからわれら親はがんばれるんです。

もう少し、だめな親を演じてやって、子ども自身が変わることを待ってもいいのかもしれません。

外的な動機付け(誰かに言われたからやる)で出来るようになったって、長続きしないどころか反発が大きいのは心理学が証明しています。

自分自身が変わろうと思い、行動しないことには本当に変わったことにはならないのです。

またそうやって獲得したことは一生ものです。

どうか保護者の皆様ももう少し長い目で子ども自身が変わろうとするのを待っていただき、ときに自ら「そうしたい」「そうなりたい」と思えるような言葉がけ、働きかけをお願いしたいと思います。

もちろん、私たち子どもとかかわる専門家は子どものやる気を引き出すプロフェッショナルです。そのことを一番に考えています。

困ったときにはどうか頼っていただき、子どもの成長をともに考えるパートナーとして、一緒に考え行動させていただけたらと思います。

「ホントにうちの子、もう~!」

なんて大変さも共有しながら、子育てのすばらしさ、子どもの力のたくましさを共感し合える大きな家族の仲間に入れていただければ、きっと子どもの育ちも変わるんじゃないかと期待しています。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

ザリガニのリリースについて

子どもたちには、「みんなもおうちに帰るから、捕ったザリガニやお魚もおうちに返してあげようね」と話しています。

基本は、「キャッチアンドリリース」

よく観察して、愛着を持って接して身近な生き物に親しんで欲しいと願います。

でも中にはどうしても持って帰りたい、家で飼いたい、という子もいます。

そんなときは、お家の人と相談して、大事にしてあげてねと話しています。

子どもたち自身が、「どうしても飼いたい!」という強い思いがあることが一番で、お家の人とよく相談することが大事だと思います。

このときに、生態系の観点から「外来生物であるザリガニを捕ったら駆除すべきでリリースは良くない」という考えもあります。

いわゆる殺処分です。

子どもたちに直接見せないまでも、子どもたちにとって最も魅力ある生き物であり、ましてや自分たちで捕ったザリガニを「外来生物だから」と言って駆除するという生態系の保護の観点よりも、子どもたちの生き物に対する愛着を大事にしたいという幼児教育の観点からリリースを推奨しているという点をご理解いただけたらと思います。

「お家に持って帰りたい」「お家で飼いたい」という気持ちを大事にしたいというのも同じ理由です。

生態系の保護も、子どもの幼児教育も、「命」を大事にするという点では同じではないでしょうか。もちろん、生態系を破壊して在来の生き物が住みにくくなってもいいとは思いません。私も正しい選択かどうか分かりませんが、子どもたちと「命」と向き合う活動を通して、みんなが「命」を大事にして、自分と大切な人たちを愛する子どもに育って欲しいと願います。

保護者の皆様には、多大なるご理解とご協力をいただき、本当に感謝しています。子どもたちもご家族の方の愛情を全身で感じていることでしょう。

子どもたちが健全に成長していくことを確信しています。

これからも滝山ネイチャークラブ、森のようちえんの活動に対するご支援を心からお願い申し上げます。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

子どもとの距離

最初は泣いていた子も、すたすたと歩いていくようになります。

最初は手をつないで歩いていた子も、振り向きもせず山を駆け出していくようになります。

私たち大人の方が、実は試されているのではないでしょうか。

子どもは階段を登っていく練習をしていますが、実は親にとっても練習をさせてくれているのではないかとすら思えます。

 

『振り向かぬ子を見送れり振り向いた時に振る手を用意しながら』

俵万智

子どもはいつかは親の手元を離れて遠く旅立っていくもの。

そのときにうろたえて、おろおろしないよう、子離れの練習をしているのかもしれません。

いつまでも子どもと思っていてもいつの間にか大きく育っているものです。

振り向いた時に、いつでも「見ているよ」「愛しているよ」とメッセージを送ってあげられるように用意しながら、子どもたちの挑戦を見守るのも大切な親業かもしれません。

そんな子どもたちの挑戦とお父さん、お母さんたちの子育てを心から応援しています。

今はもう振り向きもせず自分の人生を歩んでいる我が子のことを、心で精いっぱい手を振っている不格好な親ではありますが、私自身も大きく成長の人生を送ることで、せめて子どもたちに「しっかりしてよね」と怒られないようにしたいと自分自身を戒めています。

俺たち、親たち、ファイト!

平成29年4月23日父母講座

滝山ネイチャークラブ

親子じかん応援団長

堀岡正昭

怪我に対する考え方

野外で活動していて子どもたちには、「体験」を通して学んで欲しいと思います。

当然、転んだり、ぶつけたりといったことはあるのですが、「怪我」が当然とは思っていません。

「怪我」はしない方がいいのです。

では、「怪我」をすることを恐れて、体験させないのかというとそうではありません。

やはり、「体験」なくして子どもたちの学びはありえないのです。

子どもたちには様々に試し、挑戦して欲しいと思います。

子どもたちは様々な情報を基に、自分で判断して体を動かしていくのですが、まだまだ体を上手に動かしていく力、体の動きを調整する力は未熟です。

その体をコントロールしていく力は体験を通して学習しないことには上達しないのです。

また、判断する力についてもまだまだ見通しを誤ることがあります。

判断力も、自分で判断する経験を積み重ねて身につけていく以外にないのです。

その学習の過程において、私たち大人は子どもたち一人ひとりの発達を見極め、必要に応じ時に禁止したり、制限したりしながら、安全に体験させていくことが専門性だと考えます。

そのうち上手に体をコントロールしていけるようになります。

判断力もどんどん精度が上がっていきます。

それまでは転んだり、洋服を汚したりすることが多いかもしれません。

でも体験を通して確実に身についていくように指導していきます。

遊びを通して、楽しく、自ら獲得していけるよう指導していきます。

どうぞ子どもたちの挑戦をあたたかく見守っていただき、森のようちえんに変わらぬご支援をよろしくお願いします。

平成29年4月16日、父母講座

滝山ネイチャークラブ

森のようちえん

代表 堀岡正昭