保育環境としての自然について

保育の質を客観的に評価する試みとしてアメリカで開発された「保育環境評価スケール」という評価基準があります。

例えば、保育室に子どもが自由に選べる環境がどれだけ用意されているかといった項目において、

1.用意されていない、もしくは子どもの選択が認められていない。「ハイ、今日はこれこれをしますよ」といった教師主導型の保育

2.選択肢は用意されているが、2択。外遊びか室内。外で遊ぶのが嫌な子は室内で遊ぶ。絵本かブロックといったどちらかの選択しか認められていない。

3.選択肢が複数用意されている

といった視点で保育の質を客観的に評価しようという試みです。

この「保育環境評価スケール」を導入しようということでは全くないのですが、滝山ネイチャークラブの森のようちえんでも複数の選択肢を用意しています。

それが、あの自然環境なのです。

子どもにとって魅力的な環境。子どもの興味関心に応じて様々な素材が用意されている自然環境。子どもの発達に応じて複数の選択肢が用意されている環境。あの自然に勝る環境はなかなか用意できないと思います。

ここで大事なことは環境を用意しさえすればそれでいいということではないということです。

あの豊かな複数の選択肢が用意された環境であっても、私たち大人が、子どもの権利を保障しようとしないで、「だめだめ」「何やってんの!」と禁止や非難ばかりしていたとしたらきっと、健全な子どもの育ちは望めないでしょう。

滝山ネイチャークラブには多くの学生さんや社会人の方が関わっています。

そのすべての人にお願いしていることがあります。

それは、「子どもの人権と命を守る」ことを切にお願いしています。

子どもが「やりたい」という思いを、一律に「危ないからだめ」と言って奪わないでいきたいと思うのです。

だからといって、命の危険にさらすようなことは決してあってはならないのです。

この一見矛盾する大人の働きかけの精度を高め、安全で教育効果の高い活動を目指しているのが、我々滝山ネイチャークラブなのです。

この「自然の中で行う少人数の幼児教育」が広がることを期待しています。

そのために必要なのが、「豊かな自然環境」と「高い専門性」、そして「困難にあえて挑戦する教育の志向性」なのです。

滝山ネイチャークラブ

代表 堀岡 正昭

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